別府警察署(染矢憲康署長)は29日午前9時20分、高齢者を保護した3人に感謝状を贈呈した。
受賞者は、石垣東の立命館アジア太平洋大学生のアリーバ・レーマンさん(22)=パキスタン出身=、大字鉄輪の会社員の甲斐弘さん(47)、看護教員で妻の有美子さん(49)。
感謝状を贈呈した染矢署長は「アリーバさんは日本語上手で、とても優しい方と分かりました。アリーバさんだからこそ、声かけをして、大事な命を救ってくれたんだと思います」
「甲斐さんは声かけをして、夫婦で協力して連携を取っていただき別府警察署まで搬送していただきました。大事な命と安全を守ることができました」と述べた。
アリーバさんは、今年5月8日午後3時ごろ、自家用車で移動中、楠町の歩道をウロウロしている市内在住の70歳代女性を見かけ、車を停めて声をかけた。女性から「帰り道が分からない」と言われたため、車に女性を保護。女性の首に名札がかかっていたことから、名札に記載された住所へ向かい、記載されていた電話番号に電話し、家族に無事引き渡した。
甲斐弘さんは今年4月28日午前3時ごろ、歩いて帰宅中に鉄輪東の路上を裸足で歩いている90歳代男性を見かけ、声をかけた。体や手が震えていて「家が分からなくなった」と言われたため、妻の有美子さんに連絡し、有美子さんは車で夫の元に向かった。久美子さんは車の中に保護された男性の脈などをとり、別府警察署まで搬送し、警察官に引き渡した。
アリーバさんは「女性を車に乗せて一緒に移動したのですが、家の近くで道を聞いても、分からないような感じでした。名札に書いていた電話番号に電話したところ、家族の方は喜んでいました。家族に渡した後は安心して帰宅しました。声をかけるときは少し緊張しました」。
甲斐弘さんは「実際に感謝状を手にして、嬉しい。最初は声かけをするか迷ったのですが、何か困っているように見えたので、とっさに声が出て、自分もびっくりしました。話しを聞いたが、家を特定することが出来なかったので、警察署に行こうと思いました」
妻の有美子さんは「嬉しい。高齢者の方が無事に見つかって良かったと思います。電話越しに誰かを保護したことが分かりましたので、すぐに行かないといけないと思いました。家を特定するより、温かくして警察署に連絡があるかもしれないので搬送した方がいいと判断しました」とそれぞれ話した。