別府市はこのほど、浜脇2丁目の平尾邸について、寄付を受けたことを発表した。
平尾邸は、別府銀行頭取の平尾謙平氏によって大正6年に建てられた、2階建ての洋館のゲストハウス。最近まで、平尾家の自宅として使用されてきた。半切妻造で桟瓦葺の洋館。ハーフティンバーの装飾木枠と土壁、格子窓のファサードが高塀越しに目を引く建物。1階は洋室、2階は和室で構成され漆喰レリーフにはシャンデリアが施されるなど、精巧な左官仕事を見ることができる。
屋敷の一部が道路拡張の対象となり、取り壊されることが危惧されていた建物でもある。「別府市の財産として活用してほしい」との申し出を受け、調査を行ったところ、建物の保存状態も比較的良好で、歴史的な価値も十分あると判断。適正な保存などを行い、利活用を図ることが可能であるとした。
長野恭紘別府市長は「同施設を利活用することは、温泉街から国際観光温泉文化都市として発展してきた別府市のこれまでの100年の歴史を踏まえ、次の100年の歴史を作る上でも重要であると考える。単に修復し、管理するのではなく、有効に活用していくことでその意義が生まれる。特に外国人観光客を中心とした観光客向けの集客施設や会議場、迎賓館など観光・まちづくりの拠点して整備していきたい」と話した。