クルーズ船対象に区域外営業も

市内の公共交通について協議を行った

 別府市公共交通活性化協議会(会長・阿南万寿夫副市長)は10日午後1時半、市役所で第2回会議を開いた。
 阿部副市長は「移動の需要も高まっているが、依然として運転手不足などにより移動手段の確保が課題になっています。抱える課題の解決の1つとして南部で『湯けむりライドシェア』の運行を開始する。地域住民の期待も大きいようです。今後も市民の声を聞きながら、課題の本質に迫り、解決する必要がある。安全安心で持続可能な公共交通のため、活発な議論をお願いしたい」とあいさつ。
 議事では、地域内フィーダー系確保維持計画案、市地域公共交通計画の一部修正、営業区域外旅客運送、協議会規定の一部改正、湯けむりライドシェア(南部循環線)の実証運行開始について審議、承認した。
 別府国際観光港第4埠頭に大型クルーズ客船が入港した場合やその時間帯によっては、乗客・乗員、市民のタクシー需要が高まり、タクシー不足となることを防ぐため、営業区域外での運行を可能にする。道路運送法では、例えば大分市のタクシー事業者がお客を乗せて市外に行ったり、市外から乗せて市内に戻ることは可能だが、別府市内から別府市内での乗降は出来ない。そのため、大分市内の事業者に対して、条件を満たせば、クルーズ船の乗客・乗員に限って別府市内での営業ができるようにする。期間は、来年6月末まで。また、湯けむりライドシェアについては、平日の午前8時から午後1時の間、湯都ピア浜脇を出発・終点とする循環バスを2台で1日10便運航することや、2号車は福祉車両となり、補助金を受けて来年1月に導入することを報告。運行管理は、みなとタクシーが行う。委員からは、運転手の確保状況について質問があり、1種、2種の運転免許を持つ人を各2人、計4人確保したと説明。
 「鉄道との乗り継ぎ時間が短く、現実的ではないのではないか」「分かりやすい時間帯にしているのは分かるが、利用者は時刻表を見て乗るので、早く出発するようなことがないようにしてほしい」など意見もあった。市側は「あくまでも実証運行。途中で住民アンケートをとり、利用者が使いやすいものにしたい」と答え、近く、南部地区の住民への3回目の説明会を行うことを明らかにした。
 さらに、北部地区のアンケート調査結果を報告し、今後、北部循環線の協議を行い地元説明会などを行う予定。