第49回部落解放・人権西日本夏季講座(実行委員会主催)が13、14日に別府市のビーコンプラザで開催された。西日本から多くの人が参加した。
開会式で、実行委員会代表の谷川雅彦一般社団法人部落解放・人権研究所代表理事が「生成AIの進化など科学技術の発展は、これまで解決を先延ばしにしてきた日本社会の差別や人権問題を複雑化、深刻化してきています。憲法で『差別されない権利』がうたわれていますが、ネット上の偏見や差別、誹謗中傷、被災別部落の識別情報の公開に対する規制や被害の救済は、ほとんど手つかずのまま。差別や人権侵害をなくし、被害に苦しむ人を速やかに救済するために求められるのは、『差別されない権利』を具体化する人権委員会設置を含む包括的な差別禁止法と個別の差別禁止法、あらゆる差別の禁止と県レベルの人権委員会を規定した差別禁止条例です。大分県から差別のない、人権が尊重される共生の社会づくりを求める声を全国に発信する場となることを祈念します」とあいさつした。
来賓の佐藤樹一郎大分県知事は「今年は、大分県水平社が結成されて、100年の節目に当たります。記念すべき年に、結成大会が行われた別府市で大会が開催されることは、意義深い。今後も多様な価値観と生き方を認め合い、誰もが自分らしく生きることができる社会づくりに関係機関・団体・県民とともに積極的に取り組んでいきます」。地元の長野恭紘別府市長、西島藤彦部落解放同盟中央執行委員長も祝辞。
引き続き、▽大分の部落史▽国立人権・平和・まちづくり条例と基本方針▽長崎の被爆体験者求められる早期救済、の3つをテーマに講座が行われた。
14日も2会場で合計4つの講座が行われ、臼杵市で「歴史と文化のまち臼杵~臼杵の被差別部落の歴史から学ぶ~」と題して、フィールドワークも行われた。