温泉発電などで別府市が資源保護

 別府市はこのほど、「別府市温泉発電等の地域共生を図る条例」の中の、温泉発電等掘削を回避すべき地域、いわゆる「アボイドエリア」について、新たに、阿蘇くじゅう国立公園内の別府市側全域等約2200㌶を追加した。これにより、アボイドエリアは約3200㌶となった。
 条例は、温泉発電などの導入が自然環境や生活環境と調和し、市民との共生が図られながら行われるようにと、平成28年に施行した。これにより、事業者は、事前協議を中心とした手続きを行う必要がある。平成30年に改正を行い、アボイドエリア内で事業を展開する場合は、温泉掘削許可申請の前に、地熱資源調査やモニタリング調査を行い、自治会との協定締結に努めなければいけないことになり、乱開発を防いでいる。
 国が規制緩和を進める一方で、資源保護は大きな課題。鶴見岳や伽藍岳に近い地域をアボイドエリアにすることで、温泉資源に影響が出ないようにしたい考え。
 別府市温泉発電等対策審議会(由佐悠紀会長、8人)で意見を聴き、6月7日に追加指定を行った。