別府市消防が初期消火功労者表彰

感謝状贈呈式に出席した
松田真千翔さん(前列中央)

 別府市消防本部(浜崎仁孝消防長)初期消火功労者の表彰を3日午前10時、同本部消防長室で実施した。
 被表彰者は、従業員の森本京子さん(72)=別府市秋葉町=、林航平さん(19)=別府市千代町=、キッチンカー(FANCAFE)経営兼理学療法士の松田真千翔さん(32)=日出町藤原=の3人。
 功労は▽森本さんと林さんは今年3月29日夜、それぞれが勤務する店舗付近の花壇から炎が上がっていると通行人からの知らせを受け、店内に設置された消火器を使い消火作業を行った。消火開始時、強風により炎がたなびいているのが目撃されており、初期消火活動がなければ火災が拡大していたと考えられる。
 ▽松田さんは今年4月14日夕方、由布岳登山口周辺(大字東山)の県道別府一の宮線を別府市街地方面に走行中、知人が運転する後続の軽四自動車が、道路から外れ斜面で横転した。前方のエンジン下部付近から小火が見えたため、消火器1本を持ち出し、事故車両に放射し消火を行った。初期消火活動がなければエンジン周囲などへの延焼や、周辺枯草への延焼拡大は否定できない―として、どちらも初期消火活動が評価され、規定に基づき感謝状の贈呈となった。
 贈呈式で、松田さんに感謝状を贈呈した浜崎消防長が「適切な判断と決意において迅速に消火器を使った初期消火活動を行ったことで、火災の被害を最小限に抑えることができました。この迅速な活動がなければ、甚大な被害になった可能性もあります。感謝の意を表します」とお礼を述べた。
 贈呈式終了後、松田さん、浜崎消防長、永路尚道次長兼総務課長、井元隆文消防署長が歓談した。井元署長が「躊躇せずに勇気を出して向かった。設置していた消火器を使った。そうしなければ現場一帯が野焼きをしたかのように燃えていたかもしれない。現場の責任者として松田さんの勇気に感謝しています」と述べた。
 松田さんは「後方の車が横転事故を起こしたとき、大きな音がしたので気がつきました。このような現場に遭遇したのは初めてでした。元々、医療従事者として働いていたので、緊急時にすぐ動くという訓練はしていました。躊躇することなく動けました。大きな火になっていなかったのも要因だったと思います」と話した。