別府市が市民意識調査を実施

 別府市はこのほど、まちづくりに関する市民意識調査の結果を公表した。
 別府市の取り組みに対して、市民がどのように感じているか、さらに充実を求めるものは何かを把握し、今後のまちづくりに役立てる目的で実施。18歳以上の市民から無作為で2千人を抽出し、昨年12月18日から今年1月12日にかけて行った。回答があったのは、626で回収率は31・3%だった。
 政策に関する満足度・重要度では、観光・産業、健康・福祉、子育て・教育、都市基盤、環境・くらし、協働・コミュニティ、行財政運営の7つで調査。満足度、重要度ともに高かったのは「安全で安心な水を、誰でも持続的に生活に使用できている」「生活排水が適正に処理され、良好な水環境が持続的に保たれている」といった、都市基盤のうち水環境に関わる取り組みだった。重要度が高いものの満足度は低かったのは「誰もが、便利で快適に移動できる手段が確保されている」「持続可能な公共交通サービスが提供されている」といった、公共交通にかかる取り組み。満足度は中くらいだが、重要度が高いと答えたのは、防犯や防災について。重要度はそれほど高くなく満足度が低い取り組みは、産業にかかる取り組みだった。
 公共交通に関する調査では、普段の交通手段は「自家用車・バイク」と答えた人が76%。地域交通について困っていることは、バスの便数が少ない、歩道が通りにくい(狭い、段差など)、道路が悪い、坂がきついなどとなっている。
 防災に関する調査では、「地震や津波対策としてどのような対策をしているか」の質問には、「家庭内備蓄をしている」と答えた人が35・5%と最も多く、次いで「非常持出袋を用意している」34・5%、「家具に転倒防止対策などをしている」23%などの順で、「取り組んでいない」と答えた人も18・1%あった。
 市役所の窓口に関する調査では、年2~5回訪れるが49・2%、「ほとんど来ない」と答えた人も39・5%。要件では、戸籍・印鑑証明・住民票などの登録や証明書に関することが75・6%となっている。
 改善が必要と感じる項目については、オンライン手続きの拡大、待ち時間の短縮、書類の記入項目の削減、職員のていねいな対応、開庁時間の延長などとなっている。オンライン手続きを進めることについては「市役所へ行く手間が省けて便利になると思うので進めてほしい」56・8%、「やり方がわからないので、これまでどおり対面で対応してほしい」20・3%、「これまでと特に変わらないと思うので、どちらでもよい」12・5%だった。
 「自分のまちとしての愛着」については、35・3%が「感じている」と答え「どちらかといえば感じている」という人と合わせると約7割。「別府市に住み続けたい」と感じている人は82・9%となっており、多くの人が愛着を感じ、住み続けたいと思っていることが分かる。
 長野恭紘別府市は会見で「結果を分析して経年による変化を検証しながら、市民に寄り添う市政の実現に向け、これからも住み続けていきたいと実感できる満足度の高い行政サービスに取り組んでいく」と話した。