自民党の衛藤晟一参議院議員(76)=比例代表=は4日午後1時15分、大分市内の事務所で会見を開き、来年夏に行われる参議院選挙に出馬しないことを発表した。
衞藤氏は、次期衆議院議員選挙に長男の博昭氏(44)が大分1区から擁立されることから、「衆議院と参議院で選挙区も違うが、親子でというのは、県民の理解が得られないと思った」と理由を語った。
衞藤氏は、大分市出身。大分市議、大分県議を経て、1990年に大分1区から衆議院議員に初当選し、当選4回。2007年からは参議院議員となって、現在3期目。2012年に首相補佐官、2019年には少子化、1億総活躍、沖縄北方対策、消費者行政の担当相を兼務した。現在は、自民党障害者児問題調査会長を務めている。
「これまで全力でやってきて、憲法改正や安定的な皇位継承などやり残した仕事もあり心残りもあるが、私が引くべきだと思った。後進に夢を託したい。残りの任期で全精力を傾けて、問題解決に取り組みたい」と話した。
これまで、福祉や社会保障分野をライフワークとし、特に障がいのある人が住みやすい環境づくりに力を入れてきた。「20数本の法律を作ったり、予算も25年間で5・5倍ぐらいに大きく増やすことができ、障がい者が地域でみんなと一緒に仲良く暮らす社会を作りたいと頑張ってきた。大分県内では、村山富市さんをかついで『自(自民党)社(社会党=現在の社民党)さ(新党さきがけ)政権』を事務局長のような立場でやったことを覚えている。社会保障の充実に向けて、大きく舵を切れた」と振り返った。
今後については「実質的に国会議員を引退ということになると思うが、政治活動は続けたい」とした。