能登半島地震で別府温泉

能登半島地震での
温泉入浴支援について話す後藤さん

 別府溝部学園高校(佐藤清信校長)は9日午後1時15分、同校で「社会に目を向けよう講演会」を開催した。
 普通科の1~3年生約260人が参加した。
 社会で起きている問題を紐解くことで、社会の出来事に興味・関心を持つきっかけにすることや、仕事に対する目的意識などを聞くことで仕事観やキャリア観を考えるきっかけにしてもらう。
 別府市観光課の後藤寛和主査が、能登半島地震における温泉入浴支援や別府市がすすめる新湯治・ウェルネスについて話をした。今年1月1日に発生した能登半島地震では、多くの人が被災し、長らく断水が続くなど今もなお不便な生活を強いられている人たちがいる。
 別府市では、2月7日から19日まで能登町で、2月23日から3月7日まで、珠洲市で移動式温泉施設「幻想の湯」を使って入浴支援を実施。初日は別府から温泉をタンクに入れて持っていき、2日目以降は、地元の同じく被災をしていた和倉温泉総湯の協力で温泉を被災地に運び続けた。延べ3844人が利用した。
 後藤主査は「テレビで見るのと現地に行くのでは、全然違った。情報提供をして事前に現地で調査を行いました。事前の現地調査は、とても大切です。安全を第一にどのような活動ができるか、関係者とイメージをしながら行いました。地元の高校生も一緒に手伝ってくれました。また、留守番をしていた職員にも支えてもらいチームで取り組むことが出来ました。支援活動に正解はありません。自分がどう考えるかが大切。まだ、復興していない場所も多い。皆さんが、気持ちを寄せるだけでも、元気が出ると思います。自分が経験したこと、人とのつながりを大切にして、伝えることの重要性を感じています」と述べた。また、現地の様子や入浴支援の様子の動画を上映した。
 生徒は真剣な様子で話を聞き、メモをとるなどしていた。