公益財団法人大阪観光局が事務局を務める「温泉ツーリズム推進協議会」と松山市の主催で、「温泉シンポジウムin松山」がこのほど、愛媛県県民文化会館で開催された。協議会としてシンポジウムを開催するのは、初めて。
別府市、北海道登別市、秋田県仙北市、石川県加賀市、静岡県熱海市、島根県松江市、愛媛県松山市、栃木県日光市の首長らが現地やオンラインで参加した。
藤田仁・松山市副市長が「シンポジウムが、観光振興や街の活性化につながることを期待しています」とあいさつ。
松山市にある道後温泉本館が約5年半ぶりに全館営業を再開しており、宮﨑光彦道後温泉誇れるまちづくり推進協議会長が「未来に繋ぐ道後温泉の観光まちづくり」と題して、取り組みを紹介した。
また、各首長らが参加して「誰もが楽しめる観光地を目指して」をテーマに、パネルディスカッションを行った。各自治体の観光客誘致の取り組みを共有。仙北市が台湾の温泉地と、加賀市がリトアニアの温泉地と協定を結び、外国人観光客の増加につなげていることなどを紹介。長野恭紘別府市長も新湯治・ウェルネス事業や免疫力日本一を目指す取り組み、様々な企業との連携事業について説明をした。
出席者からは「温泉と医療を掛け合わせて付加価値を高めるべき」「入浴の方法が日本とは違う外国人観光客向けの施設やサービスを整備していくことが重要」などの意見が出た。そのうえで、来年開催される大阪・関西万博を外国人観光客を呼び込むきっかけにしようと、連携して日本の温泉文化の海外への発信強化や高付加価値化の強化への取り組みを進めていくことで一致した。
シンポジウムは今後、年2回程度、各地持ち回りで開催。次回は来年1月頃、加賀市で能登半島地震からの復興支援を兼ねて開催する予定。さらに、外国向けに日本の温泉情報に特化したウェブサイトも開設する予定にしている。