竹のモニュメントをリニューアル

竹職人の渡辺文明氏らが
制作した竹のモニュメント

 JR別府駅前広場の手湯に施している竹の装飾(デコレーション)を7月31日午後1時、リニューアルしたため、制作者の渡辺文明氏(57)=大分市津守在住、竹職人=が取材に応じた。
 竹のデコレーションの趣旨は、全国から訪れる多くの観光客に「別府は温泉以外にも竹が有名である」という認知を広めるため、別府の玄関口であるJR別府駅の手湯に若手竹工芸家による装飾を施す。主催は竹・ルネサンス実行委員会(岩尾一郎会長)、協賛はJR別府駅と(株)永井製竹(茶重之代表取締役)で、永井製竹が企画、竹の無償提供などをしている。
 新しいデコレーションの作品名は「湯かご」。渡辺氏は3月に依頼を受けたとき、「別府」と言えば「温泉」、「温泉」に持っていくときに使うのが「湯かご」と考えた。作品の上部分にかごの持ち手がある。使用している竹は大分県産の真竹などで、2・5~3㍍の長さのヒゴの1本1本を面取りしており、ござ目編み(縦に太目、横に細めと幅の異なる竹ヒゴを用いて隙間なく編んでいく技法)を使用している。
 完成した作品を前に竹工芸訓練センターの1年生から渡辺氏に花束が贈られた。
 渡辺氏は「材料の量が多く私一人では時間がかかるので、私が卒業した大分県竹工芸訓練センターの有志の皆さんに手伝ってもらいました。設置も大変でしたが、多くの有志の皆さんが来てくれて、スムーズにできました。来年の3月末までの設置ですが、継続して若い人たちが新しい発想で作ってもらえれば、僕が作った意味があるかなと思う」
 「別府駅の前ということで一番目につくところなので、写真を撮ったりSNSに上げてもらい、別府をPRしてくれると嬉しい。そして今年7月に岐部笙芳さんが人間国宝になった記念の年に作れたのは嬉しい」と話した。