大分県警は6日、特殊詐欺の被害発生を発表した。
▽大分市在住の60歳代男性の携帯電話に7月下旬、「+」で始まる国際番号から着信があり、音声ガイダンスに従って進むと、警察官を名乗る男に代わり「あなたの携帯電話や銀行口座が犯罪に利用され、このままだと逮捕することになる」と言われた。その後、通話アプリに誘導されてやり取りを続けたところ、検察官を名乗る男から「逮捕前保釈金を払えば、拘留期間を短縮できる」と言われ、それを信じた男性は指定された口座に800万円を振り込み、だまし取られる被害に遭った。
▽大分市在住の30歳代女性の携帯電話に7月下旬、同じく「+」から始まる番号から電話があり、NTTファイナンスをかたる男から「サイトの未納料金と違約金を支払わなければ裁判となる」と言われた。その後、個人情報保護委員会や日本サイバー犯罪対策センターをかたる男から「新たにサイトの未納料金がある」「あなたの携帯からウイルスがばらまかれて被害者が出たがサイバー保険に加入すれば保険金で補償できる」などと言われ、計480万円をだまし取られる被害に遭った。
2件で合計1280万円の被害となっている。
県警は「電話でお金の話が出たら詐欺を疑い、必ず警察や家族に相談してください」と呼びかけている。
詐欺の手口が巧妙になっている一方、長期間で多額の現金をだまし取るSNS型投資詐欺、SNS型ロマンス詐欺、複合型のSNS型投資・ロマンス詐欺から、世間の注目の薄くなっている特殊詐欺の短期間で現金を詐取する「オレオレ」「預貯金」「キャッシュカード盗」「架空料金請求」「還付金」「融資保証金」「ギャンブル」―が横行し始めた。
詐欺の手口は、世間が忘れた頃に変わることを知り、手口の対処法や相談窓口の連絡先などを調べておくことが必要となる。