気象庁は30日午前5時3分、台風10号に関する情報を発表した。
台風の中心は同日午前4時の時点、日田市付近にあり、ゆっくりした速さで北東に進んでいる。中心気圧は992ヘクトパスカル、最大風速は23㍍、最大瞬間風速35㍍で中心から半径390㌔㍍以内では風速15㍍以上の強い風が吹いている。
中心気圧は昨日午前5時の時点では935ヘクトパスカル、上陸後の午前10時には965ヘクトパスカルと勢力を弱めており、午後3時は980ヘクトパスカル、同10時は990ヘクトパスカルと変化している。
台風は9月2日ごろにかけて西日本を東へ進む見込み。そのため、西日本や東日本では8月31日にかけて線状降水帯が発生し大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があり、31日にかけて非常に強い風が吹き、大しけが続く見込み。
大分地方気象台は気象情報を30日午前6時1分に発表。
台風は午前6時の時点、由布市付近をゆっくりした速さで北東に進んでいると推定。大分県では降り始めから600㍉を超える記録的な大雨で、佐伯の48時間降水量など観測史上1位となっている。そのため、これまでの大雨で土砂災害の危険度が高まっているところがある。
今後は、30日昼過ぎ(正午から午後3時)にかけて、大分県を通過する見込み。同日夕方(午後3時から同6時)にかけて非常に強い風が吹き、31日明け方(午前3時から同6時)にかけてうねりを伴ってしける。また、台風本体や台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定となっており、30日昼過ぎから夜のはじめごろ(午後6時から同9時)にかけて激しい雨となる見込み。
降り始め(27日午前9時)から30日午前5時までの降水量(アメダスによる速報値)は▽由布市湯布院617㍉▽佐伯市佐伯609㍉▽佐伯市宇目515㍉▽臼杵市臼杵440㍉▽国東市国見406・5㍉▽佐伯市蒲江395㍉▽竹田市会々388㍉▽豊後大野市犬飼385・5㍉▽宇佐市院内338㍉▽中津市耶馬渓322・5㍉―を観測。台風の速度が遅いため、同じ地域で雨が降り続き、降り始めからの総雨量が8月の平年の月降水量を大きく超える大雨となっている地域がある。今回記載したすべての地点で8月の平年値を超えている。今後も、線状降水帯が発生したときは、局地的に雨量が増えるおそれがある。
29日午前0時から30日午前5時までの最大瞬間風速と最大風速(アメダスの速報値)は▽佐伯市蒲江=最大瞬間35・8㍍、南南東(29日午前6時2分)、最大20・7㍍、南南東(同日午後0時27分)▽佐伯市佐伯=最大瞬間28・8㍍、東(29日午前6時14分)、最大14・7㍍、東(同日午前6時21分)▽由布市湯布院=最大瞬間27・8㍍、東北東(29日午前2時35分)、最大12・8㍍、北東(同日午前2時40分)▽国東市武蔵=最大瞬間25・7㍍、北東(同日午前7時31分)、最大20・1㍍、北東(同日午前7時40分)▽中津市中津=最大瞬間25・5㍍、東北東(同日午前8時34分)、最大13・8㍍、東北東(同日午前11時58分)。
今後の雨、風、波の予想は、次のとおり。
【雨(多いところ)】▽30日の1時間降水量=中部30㍉、北部・西部40㍉、南部20㍉▽30日午前6時から31日午前6時までの24時間降水量=中部150㍉、北部・西部180㍉、南部120㍉
【風】▽う30日の最大風速(最大瞬間風速)=中部・北部・南部海上23㍍(35㍍)、陸上20㍍(35㍍)▽31日の最大風速(最大瞬間風速)=中部・北部・南部海上=15㍍(25㍍)、陸上15㍍(30㍍)
【波】▽30日=中部沿岸4㍍、北部沿岸3㍍、南部沿岸5㍍(いずれもうねりを伴う)▽31日=中部・北部沿岸2㍍、南部沿岸=4㍍