別府市議会の第3回定例会が開会

長野市長が上程中の議案について
提案理由を説明した

 別府市議会の令和6年第3回定例会が2日、開会した。会期は、25日までの24日間とした。
 はじめに、長野恭紘別府市長が台風10号の被害状況などについて「市内でも8月28日から断続的な大雨に見舞われ、8月31日時点で住宅の床下浸水が6棟、強風による一部破損が2棟、一部山間部での水道施設の寸断による断水が30世帯、土砂流出や倒木による道路の寸断など、市民生活に大きな影響を与える被害が生じました。28日に災害警戒本部を設置するとともに、7カ所の避難所を開設し、高齢者等避難を発令。翌29日には、気象庁から線状降水帯の発生が発表され、降雨による朝見川の増水に対応するため、危険水位には達していませんでしたが、地域住民の安全を最優先して、速やかに朝見川の浸水想定区域に避難指示を発令しました。全庁体制で迅速に対応したことで、人的被害はなく、甚大な被害を防ぐことができました」と報告。引き続き、情報を迅速・的確に把握するとともに復旧作業を進め、市民の安全を最優先に災害対応をしていくとした。また、市制100周年の事業や北部九州で開催されたインターハイなど、市政諸般の報告も行った。
 上程中の議案については「一般会計補正予算は、5億9800万円の増額で、補正後の予算額は640億6840万円となります。主なものとして、民生費では、放課後児童クラブにおける常勤支援員配置の改善やICT化の推進による委託料の追加額を計上しています。観光費では、クリスマスファンタジアにおいて2万発の花火を打ち上げ、市制100周年を盛大に盛り上げるため、クリスマスファンタジア事業費補助金の追加額を計上しています。土木費では、旧耐震基準の木造戸建住宅耐震を促進するための耐震診断及び耐震改修補助金について、能登半島地震を受け、申請件数が増加したことに伴い追加額を計上しています。教育費では、市内小中学校に避雷設備を整備し、子どもたちの安全を確保するための経費を計上しています。また、令和7年度実施予定の朝日幼稚園改修工事に伴い、朝日小学校の旧給食室を改修し、仮設園舎として整備するための経費を計上しています」と説明。特別会計では、前年度決算確定に伴う繰越金の追加を中心とした補正予算を計上した。
 条例改正は、法改正に伴うものが主。個人番号を利用することができる事務にひとり親家庭の医療費助成の事務を追加すること等や、児童館等の利用年齢を18歳までに引き上げること、水道料金及び下水道使用料を改定、住居表示の実施、などを上程した。
 大呂紗智子代表監査委員が、令和5年度の決算審査の結果について「今後、本市の財政状況は、少子高齢化・人口減少による社会保障費の増大や公債費、公共施設の維持管理固定費の増加等により一層厳しくなると見込まれることから、持続可能な財政基盤の強化とともに、限られた資源と人材を最大限活用し、最少の経費で最大の効果が得られるよう十分に検証しながら、行財政運営の適正化及び効率化に向けた更なる取組を進められたい」などと意見を述べた。水道事業会計及び下水道事業会計について「市民の信頼に応えるサービスの実現を」と要望した。
 3、4日は考案日で休会とし、5日に上程中の決算以外の議案質疑が行われる。
 本会議終了後、予算決算特別委員会が開かれ、市原隆生氏(公明党)を委員長に選任した。