大分県戦没者追悼式を別府で開催

戦没者に恒久平和への思いを込め
献花する佐藤知事

 大分県戦没者追悼式が6日午前10時半、別府市のビーコンプラザで開催された。遺族の高齢化が進み、今年、初めて青少年代表として、別府市内から小・中・高校生が参加し、約700人が参列した。
 全国では、310万人の戦没者がおり、大分県内の軍人軍属等の戦没者は4万4458人。戦没者の慰霊や恒久平和の大切さを訴えるため、毎年開催されている。
 佐藤樹一郎大分県知事が「今なお、世界各地で多くの人命が奪われています。先人の記憶や教訓を次の世代に伝え、恒久平和の実現に不断の努力を続けます」などと式辞を延べ、戦没者の冥福を祈り、全員で黙とうを捧げた。来賓の嶋幸一県議会議長、末光秀夫県遺族会連合会長が追悼のことば。遺族を代表して、父親が昭和20年2月にフィリピンマニラ東方マリキナで戦死した渡辺清さん(享年30歳)の息子・啓一郎さん(79)=由布市=が「戦争で得るものは、何もない。失うものは計り知れなく大きい。過去の悲惨な出来事を二度と繰り返さないことが、私たちの願いです」と恒久平和への思いを語った。
 佐藤知事や来賓、各市町村の遺族代表、青年代表として、岩尾梨乃さん(明星小6年)、藤原大さん(同)、石田慶二郎さん(明豊中3年)、板井迦穏さん(同)、富士井佑哉さん(明豊高3年)、村中希綺さん(同)らが献花を行った。
 引き続き、淡窓伝光霊流日本詩道会の前田卓霊総師範が追悼吟を披露した。