別府市議会は、9日午前10時から議員全員で、予算決算特別委員会(市原隆生委員長)を行った。9日は会派代表者による総括質疑で、松川章三氏(自民新政会)、重松康宏氏(公明党)、小野和美氏(ビーワンべっぷ)が様々な分野で質問を行った。
はじめに、長野恭紘別府市長が「幅広い視野からご意見をいただきたい」とあいさつ。阿部万寿夫副市長が「令和5年度は、市民一人ひとりの幸せのために、こども政策、認知症対策・健康寿命の延伸、防災対策、経済対策・観光振興などの各政策をきめ細やかに、市民に寄り添いながら進める予算を編成した」とし、主な取り組みを説明。
令和5年度の一般会計の決算規模は、歳入決算額は、643億2015万円(前年度比4・6%増)、歳出決算額は632億4721万円(同4・8%増)。歳入決算額から歳出決算額を差し引いた形式収支は10億7293万9千円で、翌年度に繰越すべき財源を引いた実質収支は8億1537万5千円の黒字となった。特別会計全体の歳入総額は685億3645万千円、歳出総額は666億2244万5千円で、実質収支は、19億1400万6千円となり、全ての特別会計で黒字となっている。
数値が低いほど、財政構造の弾力性が高いとされ、社会経済や行政需要の変化に柔軟に対応できるとされている、経常収支比率は97・1%で、前年度より1・0ポイント上昇した。地方税などの経常的収入が増加したが、それ以上に扶助費や物件費などの経常的経費が増加したことが要因としている。財政調整基金及び減債基金を合わせた主要基金の状況は、5年度末の残高は、前年度から6億9206万4千円減少し、75億9291万6千円。
松屋益治郎上下水道局長が、水道事業及び下水道事業の決算について説明。水道事業会計決算では、収入決算額は、25億2124万6千円(同1・2%増)、支出決算額は、21億8456万4千円(同2・4%減)、純利益は、2億5320万9千円(同42・4%増)。水道施設整備などに伴い発生する収支は、収入決算額は、2億576万6千円、支出決算額は、12億4083万円で、収支の不足額は、過年度分損益勘定留保資金などで補てんしている。
公共下水道事業会計決算は、収入決算額は、19億5003万5千円(同0・023%増)、支出決算額は、20億1275万円(同4・7%減)で、純損失は1億1500万千円。下水道施設整備などに伴い発生する収支は、収入決算額は、13億5870万千円(同17・7%減)、支出決算額は、19億8838万4千円(同9・8%減)となっており、不足額は、過年度分損益勘定留保資金などで補てんしている。
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松川氏は「コロナ禍とはかなり状況が変わっていると思う。どのように捉えているのか」と質問。安部政信企画戦略部長が「コロナの位置づけが5類に移行されたことから、制限がありながら進めてきた総合戦略の加速、新たな課題解決などに取り組み、黒字となった」と答えた。また、入湯税について現状を質問。安部部長は「コロナ禍の影響を直接受けていたが、令和5年度は新規施設の開業やインバウンドの増加などで増えたと思う」と答えた。松川氏は「市税収入の中でも、自主財源としての貴重な財源。温泉観光の動向を見る上で重要」と述べた。他にも経常収支比率や上下水道の決算など幅広く質問した。
重松氏は、経常収支比率について「決算の主要な財政指標の1つ」とし、現状を質問。
安部部長が「義務的経費のうち扶助費が多い。県下14市の平均より高く、公債費は平均より低い」と説明。
地方債の発行管理についても質問。安部部長は「交付税などの財源措置が見込まれる有利なものを活用することで、財政負担を軽減している。財政指標を注視しながら、適切な管理を行っていきたい」と答えた。
他にも、重要的支援体制整備や子ども医療費助成、介護保険事業特別会計の認知症総合支援などについても質問した。
小野氏は、決算の特徴について質問。安部部長が「一般会計では、歳入、歳出ともに前年度より増加している。学校給食センターの建替えや学校等の空調整備などにより地方債が増加。歳出では、ワクチン接種やPCR検査センターの経費などが減少した一方で、非課税世帯への臨時給付金などがあり、伸びている」と答えた。
負担金補助及び交付金について、件数と新規件数や評価などを質問。安部部長が「618件で、うち新規は59件。公益性、必要性などの観点から評価をしている。補助効果を確認し、ホームページで公表し適正化を図っている」と答えた。他にも、要保護児童、保育士等就労奨励補助事業などについて質問した。
10、11日は個別質疑を各日4人ずつ実施し、12日に採決を行う。