別府市議会の令和6年第3回定例会・一般質問2日目の午後は、18日午後1時から、再開した。
途中で休憩に入った安部一郎氏(自民新政会)の続きから始まり、森山義治氏(市民クラブ)、松川章三氏(自民新政会)が、防災、公共交通、零細企業対策、鉄輪地域の現状などについて執行部の考えを質した。
商業など実態調査を
安部一郎氏(自民新政会)
安部一郎氏は「街中では、約1000ルーム以上のホテルができた。様々な課題に取り組んでいるようだが、昼食、夕食難民の対応はまだ出来ていない。アマネクが補助金で作ったキャッシュレスアプリを活用して好評だと聞いている。その後は」と質問。
市原祐一産業政策課長が「飲食店関係者や商店街関係者との意見交換で、夜間営業が主で昼の営業までなかなか難しいとのことだった。HEYAZUKE(飲食店代金をホテルで部屋づけ)システムは、令和3年度に別府市新事業チャレンジ補助金を利用した事業。システムの構築を進めており、完成後は近隣宿泊施設への導入促進を進めたいということだった」と答えた。
安部氏は「宿泊業界では、従業員不足、値上げによる経営の圧迫など様々な問題がある。実態調査をしてもらいたい。世界では、オーバーツーリズムによる問題があるが、別府市の対応は」と質問。
牧宏爾観光課長は「従業員不足などの問題は事業者などから聞き取りをする中で認識をしている。人手不足の解消については、機械化、DX化のための設備投資支援などの短期的な対策や、外国人人材の活用などの中長期的な対策など総合的に実施していく必要があり、観光庁や県も支援メニューを提供している。関係機関とも連携して取り組みたい」と答えた。
安部氏は「事業者といろんなことを話しながら、政策を作ってもらいたい」と要望。公用地なども質問した。
ライドシェア現状は
森山義治氏(市民クラブ)
森山義治氏は、湯けむりライドシェアについて「南部で始まって、まもなく3カ月となる。6月26日から8月26日までの間での乗車人数と利用者からもらった課題は」と質問。
佐藤浩司企画戦略部次長が「南部循環線は実証運行中。今年度中に利用者から状況調査などをし、課題はその時に把握したい。利用者は、1号車が339人、2号車は379人」と答えた。
森山氏は「1便あたり、1・56人。地域住民へのアンケートでは、路線バスの本数を増やしてほしいが36・4%。路線バスの増便も重要な政策だと思う」とし、「運行管理の徹底を」と要望。
ドライバーの募集をしていることから、乗務員の勤務体系について質問。佐藤次長が「ビービズリンクが一括雇用する形。南部及び関の江循環線を運転することになり、週20時間以内になるように調整する」とした。
森山氏は「安全運行はもちろんだが、事故などの緊急時の代替車両や運転手はどう考えているのか」と質問。
佐藤次長が「予備車両を準備し、それでも無理な時は、タクシー事業者にお願いする。人材は、余裕をもって対応できるように確保している」とし、外国人ドライバー雇用の可能性についても「排除するものではない」とした。
森山氏は「減便や廃止、休止となる前に持続可能となる施策が重要だと思う」と述べた。他にも、防災対策などについても質問した。
鉄輪地域の観光振興
松川章三氏(自民新政会)
松川章三氏は、鉄輪地域について「歴史ある温泉地。まちづくり交付金事業で石畳化、地獄むし工房など新たな鉄輪となっている。今でも湯治場が残り、レトロな町並みなどで人気の観光地」とし、湯けむりと湯治場の景観を守るため、看板には色彩等の規制がないことを指摘し、質問。
山田栄治都市計画課長が「申請者に重点景観計画の趣旨や内容を説明し、看板なども配慮をお願いしている。県からも広告物への設置者にお願いしており、申請者から市に相談が来ることがあり、対応してもらった例もある」と答えた。
空き家、空き地、空き店舗についても質問。山田課長が「令和4年度実施の実態調査では、鉄輪を含む朝日地区が市内各地区で一番多くなっている。利活用促進する取り組みとして、空家バンクを行っている。実績は、賃貸と売買合わせて8件の成約があった」と答えた。
温泉について「市が集中管理をしなければいけない時期に来ているのではと思う」とし、市長の考えを質した。
長野恭紘市長は「鉄輪が別府観光の中心という思いはみんなあると思う。鉄輪がちょっと寂しくなっていると言いますが、鉄輪はすごい可能性があると思う。これからどう鉄輪を発展させていきたいか、住んでいる人の意志を最大限尊重しなければいけない」と答えた。
他にも、ワン・ベップ・ドリーム・アワードについても質問した。