別府市議会の令和6年第3回定例会は、19日午後1時、一般質問を再開した。
松川峰生氏(自民新政会)と泉武弘氏(行財政改革クラブ)が災害対応や観光振興などについて、執行部の考えを質した。
災害時のトイレ確保は
松川峰生氏(自民新政会)
松川峰生氏は、避難所のトイレや災害時のトイレ確保について、現状を質問。
中村幸次防災危機管理課長が「一定期間の生活がおくれる収容避難所は42カ所で、想定収容人数は、2万643人、緊急に命を守る場所の一時避難所は83カ所で、想定収容人数は64万1560人。簡易トイレは、404基予定で、現在は350基で、今年度には100%になる予定。マンホールトイレは、19カ所に83基」と説明した。
松川氏は「移動式トイレトレーラーがあり、家庭で使うトイレと同じ。太陽パネルを備え、普通車による牽引が出来る。大分県市長会でも国に運用支援するよう九州市長会を通じて要望することになっていると聞く。すでに所有している自治体もあり、単独でも導入検討を」と質した。
長野恭紘市長は「先の大分県市長会で別府市と杵築市の共同提案として提案した。能登半島地震の温泉支援で珠洲市に行った時、トイレに行きたくないと思うような環境だった。トイレに行きたくないというのは、食べない、飲まないということで2次被害につながる。各自治体に備えられるように、訴えていきたい」と答えた。
また、水道事業の維持管理についても質問。長野市長は「これだけ物価が高騰して賃金が上がらない社会情勢の中で、市民の負担になることは、戸惑う人が多いと思う。必要性を理解してもらいながら、しっかりとした経営にこれからも努力したい」と答えた。
別府ならではの観光振興を
泉武弘氏(行財政改革クラブ)
泉武弘氏は、観光振興について「税収を増やすには、観光による消費額を上げるしかないと思う」とし、「現状の別府観光の問題点は、70%が日帰り客ということ。消費額が少ないということを意味している」と指摘。
泉氏は、温泉の有効利用の分野で「競走馬の治療場、引退後の管理場、種付け場として馬のセラピーに別府温泉が適しているのではと思う」と提案し、他都市の事例をあげた。
長野市長は「情報収集して、そういうことが出来ればいいなと個人として思っている」と答えた。
泉氏は「日本人観光客を増やすことは、なかなか大変だという気がする。外国人を誘致する施策が重要になると思う。軸足をどこにおくのかが問われている。私はアセアンだと思う。特別地域指定をして、積極的にうっていくべきだと思う。外国人誘致の基本戦略は」と質問。
日置伸夫観光・産業部長が「滞在日数の多い欧米豪や東南アジアなどを含めて多角的に観光戦略を行っている」と答えた。
泉氏は「留学生の力を借りて、市場調査、情報発信をするべきでは。例えば、観光振興の法人を設置して、誘客調査などをしてはと思う。誘客ができるようになれば、斡旋手数料の半分を学生の生活支援にするのは、別府ならではないか」と質問。
長野市長は「今いる学生が誘客に直接関わって還元するという趣旨だと思う。学生の企業創業に繋がれば、さらに面白い展開になるのでは」と述べた。