別府市議会の令和6年第3回定例会は25日午前10時、本会議を再開して3つの常任委員会及び予算決算特別委員会の委員長報告など受け、表決などを行い、閉会した。
穴井宏二観光建設水道委員会委員長が「公園緑地課関係部分では、公園施設の詳細点検をおこなった結果、東荘園町の鶴見ケ丘児童公園において擁壁に不具合が見つかり、公園の安全利用のためには早急な擁壁の改修が必要となったこと等に伴う工事請負費の追加計上しようとするものとの説明がなされた。水道料金及び下水道使用料を改定することに伴い、条例を改正しようとすることでは、委員から28年ぶりの料金改定だが、市民にとっては突如話が出てきたように感じるのではないかとの意見がなされ、当局から、料金改定については、その時々で検討してきたが、情報等を市民にうまく広報できていなかったことから、今後は適切に広報を行っていきたい旨の答弁がなされた」などと報告。
重松康宏厚生環境教育委員会副委員長が「市民課関係部分では、令和6年12月2日より実施予定のマイナンバーカードの特急発行を実現するため、機材装備に関する経費等を計上しているとの説明がなされた。委員から、特急発行の対象について質疑がなされ、新生児、紛失等による再発行時及び国外からの転入者など速やかに発行が必要な方が対象との答弁がなされた。教育政策課関係部分では、昨年、小学校校舎への落雷により舎建物破損及び電子機器類が故障する事態が発生したことを踏まえ、今後の雷災害に備えるため、大平山小学校に2基、鶴見小学校に3基、朝日中学校に2基の避雷設備を整備するための委託料や朝日幼稚園大規模改修に伴い、改修期期中の仮園舎として、朝日小学校の旧給食室を改修するための工事費等を計上していると説明。委員から今後、他の小中学校にも、避雷設備の整備を検討してもらいたいとの意見があった」などと報告。
森山義治総務企画消防委員会委員長が「政策企画課関係部分では、住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法、字の区域及びその名称を変更することについての議決後、迅速に委託事業者を選定し、円滑に住居表示実施事業を進めるため、令和7年度までを期間として債務負担行為を補正計上する旨の説明がなされた。情報政策課関係部分では、国が進める自治体情報システムの標準化の一環で、標準システム本体を置く国が指定するサーバー『ガバメントクラウド』に接続する部分の設計とネットワーク構築を行うため、債務負担行為を補正計上するとの説明がなされた。委員から、情報漏洩のリスクなどはないのかという質疑がなされ、当局から、インターネットから隔絶された、高いセキュリティが確保された接続環境である旨の答弁がなされた」などと報告。
市原隆生予算決算特別委員会委員長が「経常収支比率は、平成28年度以降コロナ禍の令和3年度を除き順調に下がってきたが、令和5年度の経常収支比率は97・1%で、前年度より1・0ポイント上昇している。財政の硬直化を招くことのないよう、持続可能な財政基盤の強化とともに、限られた資源と人材を最大限活用し、最少の経費で最大の効果が得られるよう十分に検証しながら、行財政運営の適正化及び効率化に向けた更なる取組を進めることを求める」とし、入湯税超過課税の使途、重層的支援体制整備事業、補助及び交付金の公益性、公平性、有効性についての評価と周知、人材の確保等、行財政構造改革の推進などについても触れて「各事務事業を行うにあたっては、事業内容の精査・費用対効果の検証を十分に行い、本意見書及び委員会での意見を令和7年度の当初予算編成に反映することを要望する」などと報告した。
美馬恭子氏(日本共産党)が「水道料金の改定について、水道事業は平均14・2%、下水道事業は平均25・8%の値上げとなっている。市民に対して十分な説明がされておらず、納得できない」などと反対討論を行った。他にも、国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計などの5事業の決算認定についても反対。採決では、別府市水道事業給水条例及び別府市下水道条例の一部改正は反対があり、多数決を行った結果、全議案を可決。決算では、別府市国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計、別府市後期高齢者医療特別会計、別府市水道事業会計、別府市公共下水道事業会計は一部反対があったが、賛成多数で全議案が認定された。
また、任期満了に伴う教育長の任命について議案が上程され、寺岡悌二氏(71)を再任することに同意した。地方公共団体の財政の健全化に関する法律に基づく健全化判断比率、同法に基づく資金不足比率、市長専決処分について報告をした。
さらに、議員提出議案として、「慢性閉塞性肺疾患(COPD)の潜在的な患者に対する適切な対応を求める意見書」、「地方財政の充実・強化を求める意見書」、「子どもたちにゆたかな学びを保障するために長時間労働是正を求める意見書」が提出され、全会一致で可決した。