「2024世界網膜の日in大分」が9月28日午後1時から、別府市のビーコンプラザで開催された。テーマは「今、最新医療が地獄のごとく熱い!~難病から治療できる病気へ~」。
「世界網膜の日」は、国際網膜協会が日本をはじめとして加盟する40数カ国に呼びかけ、毎年9月の最終1週間を「網膜週間」としたのがはじまり。日本では、毎年9月の最終土曜日を「世界網膜の日」として、網膜色素変性症協会や類縁疾患に関して、患者や家族などへの啓発活動、社会への理解と支援を深めてもらう日としている。
オープニングでは、古戦場こども太鼓が勇壮な演奏を披露。渡辺純・大分県網膜色素変性症協会長が「多くの人の協力で1年がかりで準備を進めてきました。ここ数年の医療をみても、早い速度で進歩し、日進月歩。26年前、網膜色素変性症と診断され、治療法も薬もなく、最悪の場合失明すると言われ、全盲になった。もう一度この目で世界を見たいと頑張っていますが、患者の皆さん、そういう気持ちだと思います。ここ近年の医療の発展は、難病患者にとって明るいニュースがあり、思いが現実になるのではと思う。長年、研究を続けてくれている先生には、感謝しています。別府の地から新しい医療の進展を共有できることを光栄に思う」とあいさつ。
来賓の阿部万寿夫別府市副市長らが祝辞を述べた。
引き続き、第28回JRPS研究助成金授与式が行われ、髙橋仁日本網膜色素変性症協会理事長が「多くの研究者に助成をしてきた。我々の疾患の治療の確立に大きく貢献してくれるよう、引き続き、助成をしたい」とあいさつ。池田康博宮崎大学眼科教授が講評をした。
後藤聡大阪大学眼科医の「網膜色素上皮を介した網膜変性の病態解明」に200万円、溝渕圭・東京慈恵会医科大学眼科医の「ABCA4関連網膜ジストロフィに対する遺伝子治療を見据えた全国コホート解析・疾患進行の関連因子同定の検討」に100万円。ライオンズ賞として北野淳子LC国際協会333ーC地区ガバナーから平形寿彬順天堂大学医学部眼科医の「網膜色素変性患者における読書能力とFunctional Vision Scoreの関連についての検討」に100万円が送られた。受賞した3人が研究内容について説明した。また、記念講演があり、飯沼賢治別府大学名誉教授が「湯に浮かぶ町 地獄に住む人々」と題して、講演した。