子育て応援講座拡大講演会を開催

自身の体験について話す棚園さん

 別府市教育委員会は、子育て応援講座拡大講演会を9月27日午後6時半、市公会堂で開催した。講師は、漫画家の棚園正一さんで、テーマは「学校へ行けなかった僕の気持ち~親と先生の関わり方~」。
 寺岡悌二教育長が「教師の行動や言動で、学校に来られなくなる子どももいる。その時、誰が責任を持つのか。学年が上がるにつれて、学校に行けない子どもが残念ながら、増える。悩み、苦しみなどいろいろあると思う。話を聞いて、これから先、未来がみえる、教育や家庭になればと思います」とあいさつ。
 棚園さんは、小学生1年生の時に、演劇の本読みをしている際、どこを読んでいるのか分からなくなり、先生の前に行って「わかりません」と伝えると、叩かれ、その夜から頭が痛くなり、学校に行けなくなった。その時の気持ちを「今でも、叩いた先生のことを恨んだことはありません。みんなと同じことが出来なくて、悲しかったし、どんどんどうしていいか分からなくなっていった」と振り返った。不安な気持ちから母親と衝突したり、学校に行けないことに申し訳なく思い、学校がある時間は寝る昼夜逆転の生活に。中学校は別の地域に行き、やり直そうと頑張ったが、うまくいかなかったという。「みんなが普通に出来ることができず、どうするのか誰にも聞けなかった」。
 そんな中、ドラゴンボールが大好きだった棚園さんは、作者の鳥山明さんと出会った。「先生は、学校の話はしない。いつも、雑談だったのが自分を成長させてくれた」と言う。フリースクールでは、様々な事情の人がいることを知った。「そこだから出来た経験もあるし心から自分を肯定できるようになった。人それぞれの正解がある。迷ったり、間違えても新しい自分だけの道が続いていると気づかされた」と話した。
 漫画で分かりやすく当時の思いを話しながら、会場からの質問にもていねいに答えた。