1千万円超の被害を防止

特殊詐欺(オレオレ詐欺)を
未然防止した酒井楓さん(中央)

 別府警察署(染矢憲康署長)は22日午前10時、特殊詐欺被害を未然防止した1人に感謝状を贈呈した。
 受賞者は、豊和銀行石垣支店(三上卓也支店長)の酒井楓さん(25)=杵築市=。
 別府署署長室で感謝状を贈呈した染矢署長は「本当に勇気のある行動だと思います。連日被害に遭っていた被害者の貴重な財産を、今後の被害を未然防止したことは、被害者の方も非常に助かっています。今後とも、未然防止に努めてください」と述べた。
 酒井さんは、勤務中に80歳代女性が9月24日から10月3日の連日、ATMで現金50万円を出金している状況を見て不審に思った。4日に銀行に来なかったため、女性宅に電話。警視庁を名乗る男から電話があり「この話は誰にも言うな」と言われていることが判明した。酒井さんは女性宅に行き、詳しい話を聞き、別府署に通報した。駆けつけた別府署員と一緒に話を聞いたところ、東京の警察官や警視庁の警察官を名乗る人物から9月19日に「あなたの携帯電話番号が流出しています。口座に入っているお金が危ないので、毎日50万円ずつ引き出して、保管しておいてください。またあなたの安全を確認するため、毎日朝と夕方に電話をしてください」という内容の電話があったことが判明。警察が調べた結果、他の金融機関からも50万円を11回の計550万円を引き出していた。犯人側からは「まとまったお金ができたら、取りに行く」と言われており、現金1050万円が用意できて犯人側に渡す直前で、酒井さんが未然に防止した。
 酒井さんは「お客さまが詐欺に遭う前に防げたので、良かったと思っています。私が担当しているお客さまで、普段はATMで見かけず、現金出金がほとんど無かったため、連絡をしました。今後もお客さまと向き合って、不審なことや不安なことがあれば、聞き取りをさせていただこうと思います」と話した。