令和6年度禁煙教育講話に40人

講話をする伊藤裕子先生

 別府大学は講話「令和6年度禁煙教育」を17日午後1時、同大学2号館5階252講座室で開催し、食物栄養科1年40人などが参加した。
 講師は、伊藤内科医院・禁煙健康ネット大分の伊藤裕子さん。伊藤さんは、日本禁煙科学会認定上級禁煙支援薬剤師であり、大分県内の禁煙支援の専門家として、禁煙支援や禁煙相談薬局指導を行っている。
 まずは薬物について説明した。薬物の種類として▽麻薬▽覚せい剤▽大麻▽危険ドラッグ―を挙げ、薬は▽一般の市販医薬品(薬局やドラッグストアで買える薬)▽衣料品医薬品(処方せん薬)▽サプリメント・健康食品―を挙げた。
 薬物を使った人たちの統計から分かることとして「タバコは13・6歳、アルコールは14・4歳から始めたとある。タバコやアルコールはゲートウェイドラッグと呼ばれています。薬物をしている未成年のほとんどは喫煙経験者。薬物の売人は煙草を吸っている若者を狙って薬物に誘ってきます」と話した。
 未成年に及ぼす喫煙の影響として、短期間でニコチン依存症になりやすく健康被害も大人より大きい点を説明し、タバコを吸い始めないことが最も重要とした。
 クイズが出題され「タバコ1本吸うと寿命がどれだけ縮むか」「1日1箱580円のタバコを1年吸ったときの金額は」を学生が考えて答えた。
 「非喫煙者より喫煙者の方が3倍のスピードで老け、声も変わる。心臓病の危険性も喫煙は40㌔㌘肥満したときの危険性と同じ。タバコの煙には有害物質が200種類、癌を引き起こす物質は40種類以上入っており、タバコの煙は毒の缶詰」と説明。
 受動喫煙による肺がん発症リスクについて「なしのときを1とすると、過去に受動喫煙があったときは1・5、現在もある場合は2・03」とし、受動喫煙による影響は▽脳卒中▽肺がん▽心筋梗塞・狭心症▽乳幼児突然死症候群▽新生児低体重、流産・早産▽かみのにおい▽目の刺激▽中耳炎▽虫歯▽咳・息切れ―を挙げた。サードハンドスモーク(三次喫煙)として、ベランダなどで吸っても、吸った後すぐに近づいてはいけない。タバコの火を消した後でも、有害物質がその場に残り、受動喫煙が起こる。
 講話終了後、受講生を代表して常廣美月さんがお礼を述べた。