第50回衆議院議員総選挙が投開票

岩屋氏は支持者に頭を下げ、
西田陽一後援会長、嶋幸一選対本部長らは万歳を三唱した

 第50回衆議院議員総選挙が27日に投開票され、自民党が改選前から大幅に議席を減らし191席に、公明党も24議席で政権交代以来15年ぶりに過半数割れという厳しい結果となった。一方で、立憲民主党は議席を大幅に伸ばし、148議席となり「政権交代前夜」と血気盛ん。
 大分県内の選挙区では、1区は無所属の前職・吉良州司氏が9万5千票で当選。2区は無所属新人で広瀬前知事の次男である広瀬建氏が6万2699票を獲得し、当選。立憲民主党前職の吉川元氏は比例復活となった。自民党前職の衛藤征士郎氏は、政治資金収支報告書への不記載の逆風によって落選。
 3区は、自民党前職で外務大臣の岩屋毅氏が8万7301票で立憲民主党新人の小林華弥子氏に2万票以上の差をつけて当選となった。小林氏は、比例復活に望みをかけ、遅くまで開票を見守ったが、復活ならず落選となった。大塚光義氏は支持が伸びず。
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 別府市出身で衆議院議員を9期務めた外務大臣の岩屋毅氏(67)=自民党、前=は、第50回衆議院議員総選挙の大分3区小選挙区で勝利し、10期目を決めた。
 支持者、選対役員、スタッフらが集まったホテル別府パストラルでは各局の選挙特番が始まった午後8時、当確情報が流れると、歓声と拍手が会場に響いた。午後8時2分、岩屋氏と知子夫人が登場し、支持者らと喜びを分かち合いながら、壇上に向かった。
 嶋幸一選対本部長(県議)が「皆さん、大変お世話になりました。この選挙、逆風の厳しい選挙で、それに加えて岩屋毅候補がほぼ不在の経験したことがない緊張感の中での選挙でした。多くの皆さんの温かい力強いご支援で勝利することができました。本当にありがとうございました」とお礼を述べた。
 岩屋氏が「喜んでいるばかりではありません。今、この瞬間も県内の同志の皆さん方の陣営は、状況を固唾をのんで見守っています。全国的にも、自民党は、与党は厳しい戦いを強いられています。一人でも多くの同志の皆さんが当選をしていただけるように、これから皆さんと一緒に見守っていきたい。石破政権はスタートしたばかりです。この政権としての日本の未来を守るという仕事は、これからがいよいよ本番。国民の皆さんの厳しい声をしっかりと受け止めながら、仕事を前に進めさせてください。その中で、外交というお役目をいただきました。対話と協調の外交で、世界の平和を回復し、日本の平和を守り抜く。これが私に与えられた使命。この仕事を皆さんのお支えをいただいて、全身全霊を尽くしてやらせていただきたいと、心から願っています。これからも変わらぬご指導ご鞭撻ご支援を賜りますように、心からお願いします」とあいさつ。
 当選を祝して、岩屋氏、知子夫人、嶋選対本部長らが壇上に上がり、西田陽一・岩屋たけし連合後援会長が「本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。この選挙、大変苦しい厳しい逆風の中で、相手候補の若手の女性候補にだんだん追いつかれているような不安感があった選挙でした。やっぱり皆さんの底力で、岩屋毅を当選させていただきました。本当にありがとうございました」とあいさつし、「万歳」三唱。
 白坂亜紀参議院議員、大分3区首長を代表して長野恭紘別府市長、公明党大分県本部副代表の堀本博行氏がそれぞれあいさつした。
 閉会後、岩屋氏は報道陣のインタビューに対し「ご支援していただいた皆さんに感謝の気持ちでいっぱい。特に今回は地元にいる時間が非常に短かったので心配していましたが、たくさんの皆さんにお支えいただいたことを感謝しています」
 選挙戦を振り返って「地元にいなかった選挙は初めてなので、正直不安でした。けれども3日間帰ってきて7会場で演説会をさせていただきましたが、たくさんの皆さんに集まっていただきましたし、私も心を込めてお応えをさせていただきました。あとは、地元の皆さんを信頼して戦うしかないと思っていました」と述べた。
 選挙戦の争点の一つとなった「政治と金の問題」について「今回、自民党にとっては厳しい選挙。これは石破総理でなくても厳しい選挙だったと思います。この国民の厳しい声をしっかりと受け止めて、党改革をしっかりやっていかなくてはいけない。これをスタートにしないといけない」と語った。
 最後に「国際情勢が激しく揺れ動いている中、日本を取り巻く安全保障関係は厳しい中で、防衛努力はもとより、それ以上に外交努力を通じて平和を維持していく、回復していくことが日本外交の使命。引き続き、全力を尽くしていく」と外相としての決意を述べた。
 10期目を迎え、大分のために観光などどのような面で力を出したいか問われると「大分は豊かな資源、特に観光地としては非常に魅力的な地域。観光は必ず一次産業と結びついていきますので、日本一の観光県、観光立県をしっかりめざしていくべき。国の柱の一つに観光立国とあるので、観光を通じた地域の活性化、ふるさとの活性化にさらに力を入れていきたい」と話した。