78代別府税務署長

座右の銘「一張一弛」

森 正幸(もり まさゆき)さん(59)

 大分には2年間、勤務したことがあるが、別府は初めて。「別府はいいところでね。魚は美味しい、海、山、温泉があり、見るところが多い」と開口一番。7月に着任して、あいさつ回りも終わり、日々の仕事に追われる毎日だ。
 「これからの社会に向かって」をテーマに、11月11日に「税を考える週間」がスタートする。「税の意義や役割について能動的に考えてもらい、税に対する理解を深めてもらいます。納税者にアピールする大切な仕事です。税務署だけでなく、さまざまな関係団体の協力がないとできません」と強調する。
 数ある週間行事の中で、楽しみにしているのが11月16日の「小学生税のウルトラクイズ」だ。「別府法人会が主催してくれます。小学生のうちから、税について考えてもらういい機会です」という。
 昭和40年1月12日、宮崎市の生まれ。父親が宮崎市の税務課職員だったため、58年4月に税務大学校熊本研修所入り。徴収畑が長く、大分税務署特別国税徴収官、同署副署長、熊本国税局徴収部特別整理第2部門統括国税徴収官や、国税庁長官官房東京派遣主任国税庁監察官、八代税務署長を経て前任地が国税庁長官官房総務課監督評価官室熊本派遣監督評価官室長。
 税務署に入ったころはパソコンもない時代。電卓片手に仕事をしていた。それが今では納税者はスマートフォンで確定申告する。「デジタル化が進む中で仕事してきました」と振り返る。
 思い出は、平成18年に税務大学校名古屋研修所教育官として赴任したとき、前任者の吉岡啓三教育官から引き継ぎを受けた。そして今年、別府税務署長として赴任すると、前任者はまた吉岡署長で、二度目の引き継ぎをした。
 趣味は自転車。目的地を特に定めず、のんびり散歩する感覚で走ることをポタリングという。「25年前に買ったマウンテンバイクで走り回ってきましたが、別府は坂道が多いのできついですね」と笑う。
 座右の銘は「一張一弛」(いっちょういっし)。中国の礼記という書に出てくる言葉で「仕事は高度化しており緊張が続きますが、ゆるめることも必要」という意味と理解している。
 子ども3人は独立した。夫人は熊本の家を守っており、単身赴任の生活。