小野一郎生誕100年展実行委員会(林淳一郎実行委員長)は「小野一郎生誕100年展」を19日まで、別府市美術館2階企画展示室とホワイエで開催している。時間は午前10時から午後5時。
小野氏は、1923年3月16日に速見郡中山香村(現在の杵築市中山香町)で生まれる。45年3月23日に東京美術学校日本画科を卒業。47年に大分県美術協会展で初入選。中学校、高校、短期大学の教諭などを歴任し、県美展、新興美術展などに出品し特選受賞や入選する。その後、高校や短期大学の非常勤講師、新興美術院会員(後理事)などを歴任し、86年に県立芸術短期大学名誉教授、県美術協会委員、別府市美術協会日本画部長に就任し、日本画壇を牽引するとともに後進の育成に務めた。90年に第26回大分県芸術祭功労賞を受賞。93年1月30日午前9時59分、市内の病院で逝去(69歳)。従四位勲三等瑞宝章を授与される。
展示会では、62年の第12回新興展に出品した「無題」、80年の第30回記念新興展に出展した「退屈な会議」(10枚連続作品中7枚)、県芸術会館で開催した大学退官記念展覧会からの大型作品4点など大作50点、小品20点、デッサンなどを含めた合計約100点、小野氏が使っていた印章、画材なども展示。
小野氏の生誕100年展は2023年1月に開催予定だったが、開催予定の市美術館が改修工事で休館していた。実施不可能だったため、実行委員会を組織し今年の開催となった。
林実行委員長は「小野先生は日本画の礎を築いた人で、緑丘高校の校長、芸術短期大学で教鞭を取っていました。絵画論など話しを伺っていました。小野先生の日本画は、斬新で洋画とコラボした力強い抽象的、一般の日本画の枠を越えた作品を発表してきました。多くの人に、日本画を通しての造形美、美しさを知ってもらいたい。別府市在住の偉大な日本画の先生を知ってもらうためにも、来館して見てほしい」と話した。