別府市二十歳のつどいに724人が出席

ビーコンプラザに集まり旧友との再会を喜んだ
二十歳代表誓いの言葉を述べる
安部叶望さん

 別府市、別府市教育委員会は「令和7年別府市二十歳のつどい」を12日正午、ビーコンプラザ・フィルハーモニアホールで開催した。市内で今年20歳を迎えたのは、日本人の男女1094人、外国人528人の計1622人。内訳は男性801人、女性821人。また来場できない新成人のために、会場の様子をオンライン配信した。
 国歌斉唱後、長野恭紘別府市長が「三つの考え方を話します。一つ目は方向。目的が定まっていないと、一生懸命努力すればするほど遠ざかっていく。努力は大切だが、一度立ち止まって『自分がやりたいことは、本当にこのことなのか』と考えてください。二つ目は失敗についてです。失敗をどういうスパンで考えるかということ。その瞬間で考えたら失敗でも、5年や10年の長いスパンで捉えたら、それは単なるつまづきであって人生の大きな糧になります。三つめは幸せ。自分自身の絶対的な幸せを、どこに置くのか。他人と比較をしないということ。幸せは皆さんの絶対的な価値で、比較するものではありません。自分自身の幸せを掴むために、がんばってください。皆さん、自分自身の歩幅で無理のない焦らない程度に少しずつの努力を積み重ねることによって、人生が知らず知らずのうちに良い方向に向かっていると信じて、大きな挑戦をしてください」と式辞。
 寺岡悌二教育長が「この20年間、多くの人に支えられて本日を迎えられました。これからは大人としての自覚と責任を持って、明るい未来に羽ばたいてほしいと思います。今日、帰宅したら家族に『ありがとう』とお礼を言ってください。今後は、できない理由を先に言う人ではなく、どうしたらできるかと考える人になってください。これからいろんなことを経験すると思いますが、焦らず、驕らず、しなやかに乗り越えてください」。
 来賓の加藤信康市議会議長は「2020年、新型コロナが国内で確認されて以降、私たちは経験したことのない困難に直面いたします。皆さんはあらゆる経験が、心身に成長につながる大変貴重な時期に多くの学校行事が中止となり、さまざまな行動が制限されるなど大変な苦労をしました。対面の制約は、タブレットの導入やテレワーク、オンライン授業、キャッシュレス決済などICT化を推進し、社会生活を大きく変容させました。ますます多様化した社会は、非常に便利な反面、選択肢の多さに戸惑い、ときには生きづらさや孤独を感じる場面が増えるかもしれません。今年、二十歳を迎える若い皆さんが、安心して暮らしていける町になるよう別府市議会も一層尽力していきます」とそれぞれ祝辞を述べた。
 佐藤樹一郎県知事の祝電が披露され、衆議院議員の岩屋毅外務大臣からの祝電が紹介された。
 二十歳代表として安部叶望さん(19)=鶴見台中学校出身、大学生=が「私たちは『二十歳のつどい』を迎え、一人の大人として新たな世界の扉を開きます。これからは自分のやりたいことなどを自由に選択し生きて行くことができるでしょう。自分で選択したことには、自分自身で責任を負わなければなりません。自分の理想とは違う現実に直面し、これまで以上に困難なことや辛いことに向き合わなければならないこともあるかもしれません。そんな状況であったとしても、失敗を恐れず、学び、吸収し、一人の人間として成長していきたいと思います。まだまだ未熟な私たちでありますが、支えてくれる周りの方々への感謝を忘れず、一人の大人としてこれからの未来を力強く歩んでいくことをここに宣言します」と誓いの言葉を述べた。
 式典終了後、二十歳のつどい実行委員会企画として中学校時代の教員からのビデオメッセージ上映があり、それぞれの卒業校がスクリーンに映し出されると歓声が起きた。続いて、クイズが行われた。
 式典前後の玄関前やエントランスホールでは、友人との再会を喜んだり記念撮影をする姿があった。
 三原明日香さん(20)=大学生=は「教員の採用試験の合格することと、車の免許証を取得するために勉強しています。免許証を取ったら、車で熊本の自然を見に行きたい」。
 双子の日名子さくらさん(20)=大学生=は「就活をがんばります。メディア系に就職したいです」。
 日名子あおいさん(20)=大学生=は「海外旅行でオーストラリアに行きたいです」とそれぞれ目標を話した。