消防出初式を多くの市民が見学

長野恭紘別府市長らが
特別人員・服装点検を行った

 別府市消防出初式(市、市消防本部、市消防団主催)が12日午前9時、的ケ浜のスパビーチで開催され、多くの市民が見守った。
 はじめに、消防車両4台、消防団車両22台が車両パレード。消防本部143人、消防団本部、女性分団、20ある地域の消防団から379人が分列行進し、市民ボランティアも入場した。
 国旗掲揚後、参加者、来賓、市民が、これまでの消防職員、団員の殉職者に黙とうを捧げた。
 続いて、浜崎仁孝市消防長と藤内英伸市消防団長から人員報告を受けた長野恭紘市長らが、特別人員・服装点検を行った。
 消防団員に表彰状を手渡した長野市長が「昨年の火災件数は平年並みでしたが、救急出動件数は8886件と過去最多を更新。これに伴い、救急態勢の充実強化のため、10月より救急隊を1隊増隊します。引き続き、救急車の適正利用のための啓発に務め、救命率の向上をめざし、救急需要に対応します。昨年元日に発生した能登半島地震や8月に初めて南海トラフ地震臨時情報が発表された日向灘沖の地震など、災害は時と場所を選ばないことを、私たちに強く教えてくれました。さらに8月末の台風10号では、山間地方を中心に被害が多発しました。今年、別府市制101年目にあたり、新たな輝かしい別府を作っていくため、消防職員、消防団員が一丸となり、すべての土台となる市民や観光客の安全安心を守る決意であります」と訓示。
 来賓の桑田龍太郎大分県副知事=県知事代理=が「近年、数十年に1度という規模の自然災害が各地で発生しています。昨年元日に発生した令和6年能登半島地震から一年が経ち、復興に向けた取り組みが進められていますが、今なお多くの方々が厳しい生活を余儀なくされています。九州でも昨年8月に日向灘を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、初となる南海トラフ地震臨時情報が出されました。発生から一週間で注意の呼びかけは終了となりましたが、平素から大地震への警戒を怠ることはできません。災害への備えを考えるとき、地域防災の中核的存在の消防団員の皆さまは、県民の安全安心の確保のために無くてはならない存在。引き続き、地域防災の要として一層のご尽力をお願いします」、加藤信康別府市議会議長がそれぞれ祝辞を述べた。その後、出席した来賓が紹介された。
 市消防団第8分団による小型ポンプ操法の訓練披露、ひめやま幼稚園幼年消防クラブの鼓笛演奏を披露した。
 20の分団が別府湾に向けて水平・垂直で放水した後、「扇山」をかたどった放水を行った。また大分海上保安部巡視艇「ゆふぎり」も海上から放水すると、市民から歓声があがった。
 大平順治市連合防災協議会会長が万歳を三唱した。
 また、会場内では先着500人に紅白もちを配布した。参加者や見学者は、日本赤十字社大分県支部別府地区奉仕団が用意したコーヒー、カフェオレ、お茶、紅茶で体を内側から温めた。
 出初式での被表彰者は、次のとおり。(敬称略)
 ▽別府市長表彰(勤続15年)=神田ゆかり(女性分団副分団長)西本一雄(第5分団団員)井義照(第9分団1部部長)園田雅彦(第11分団部長)大野正和(同)藤野孝博(第12分団団員)渡邉真孝(第13分団団員)佐藤真二(同)橋本一寿(同)田中則子(第14分団団員)大野武美(第15分団団員)後藤孝博(第17分団部長)
 ▽別府市消防団長表彰(勤続10年)=福本美香(女性分団部長)阿部晴香(同分団班長)草村侑司(第1分団団員)小野陽平(第4分団団員)阿部真一(第6分団団員)福田義康(第8分団2部団員)戸口武晴(第9分団2部部長)松本英一(第11分団団員)是永正実(同)成井一陽(第12分団団員)中村洵斗(同)鈴木聖矢(同)