日本のパラスポーツ発祥の地である障がい者就労支援施設「社会福祉法人太陽の家」(山下達夫理事長)は23日午前10時30分、eスポーツ専用エリア「eBARLEY」がオープンした。
同所は、eスポーツのハンディキャップレス、エイジレス、ジェンダーレスという特徴を活かし、障がいのある人、ない人などの新たなコミュニティ形成をめざしている。またeスポーツ業界から障がいのある人が取り残されないように、事業に付随する技術を習得し、B型利用者の新たな就労の拡大、eスポーツを通して重度障がい者のQOLの向上をめざす。
施設は、高性能のゲーミングパソコンや競技用のイスが設置され、オンライン対戦用の高速回線も整備されている。
エリア名は、エレクトロニック・スポーツの「e」と太陽の家マークの象徴の大麦「BARLEY」をあわせ「eBARLEY」とした。eスポーツの世界でも大麦のようにぐんぐん伸びてほしいという思いが込められている。
セレモニーでは、佐藤光博社会福祉法人太陽の家事務局長が「このエリアは、利用者の訓練の場、新しい自分を見つける、可能性を見つける場、そして交流を深める場として誕生しました。eスポーツは年齢、障がいのあるなしに関係なく、みんなが楽しめるツール。山下理事長が『太陽の家からeスポーツで、パラリンピックではなくオリンピック選手を出すんだ』と常々言っています」。
来賓の山﨑真司一級建築士事務所「YamaDesign」代表、
川野剛大分eスポーツ体験施設「アシド/WASD」代表、山川和(株)ドコモビジネスソリューションズ九州支社大分支店長、松田紀満(一社)大分県eスポーツ連合代表理事、竹田将海合同会社ヴァルフィッシュ代表社員がそれぞれあいさつした。
点灯式では、山﨑代表、佐藤事務局長、渡邉香汰社会福祉法人太陽の家就労支援3課ICT推進科の3人がスイッチを押し、エリアの電気が灯り、開所した。
続いてデモンストレーションとして、世界最高峰の3D格闘ゲームで、いずれもプレイヤーネームの太陽の家ICT推進科メンバーのラクーンフォックスさん、かろケロさんの2人と、「アシド/WASD」のSEAtakeさん、トリカワさんの2人が対戦した。
画面上で繰り広げられた白熱した戦いに、会場は大きな盛り上がりを見せた。
エリア長の太陽の家別府本部就労支援3課ICT・eスポーツ推進担当の曽川稔さんが「YouTubeでのゲーム実況動画配信や動画編集などのスキルを高めたい。太陽の家の施設を利用して、気軽にeスポーツができる環境にしたいと考えています」と話した。