生誕100年記念岩尾秀樹展が開始

オープニングセレモニーで
テープカットをする(左から)加藤議長、
三好民郎さん、長野市長、寺岡教育長
企画展示室などで
100点の作品が展示されている

 別府市、別府市教育委員会主催の「生誕100年記念岩尾秀樹展―いのちのカタチ―」は25日から2月24日まで、別府市美術館2階企画展示室、企画展示室前、ホワイエ、版画室で開催している。
 今回の展示会に合わせて、長男の三好民郎さん(72)から作品220点、原画200点の計420点が別府市美術館に寄贈されている。
 オープニングセレモニーを午前11時、同美術館2階ホワイエで開催。出席者は、寄贈者の岩尾氏(本名・三好秀樹氏)の長男民郎さん、次男の史郎さん(69)。主催者の別府市の長野恭紘別府市長、寺岡悌二市教育長、矢野義知市教育部長、姫野淳子市社会教育課長。来賓の別府市議会の加藤信康議長、髙橋一成別府市美術館運営協議会長、平野芳弘別府市美術協会会長。協力者の寄贈を仲介した黒木愛一郎別府市議、監修・展示・展示協力の岩尾氏の愛弟子である檜垣正喜さん(77)、和田清さん(67)。
 主催者を代表して長野市長が「郷土の素晴らしい先輩である岩尾秀樹先生の貴重な絵画を、寄贈いただきありがとうございます。今回の展示会は、感慨深いもの。別府市民にとって、岩尾先生を愛する人にとって、素晴らしい報告となる。子どもたちに見ていただき、感性を養ってもらいたい」。
 来賓を代表して加藤市議会議長が「別府市制100周年を記念する年に、岩尾先生生誕100年の展示会を開催できることは喜ばしいこと。これからの若い美術家を育てる場所です。多くの岩尾先生の作品を寄贈されましたので、これから先の100年を担う子どもたちのためにも作品を見てもらいたい」とそれぞれあいさつした。
 長野市長から感謝状を受け取った民郎さんが「本展覧会が、別府市制100周年記念事業また父の生誕100年という節目の展覧会になったというベストなタイミングであったと、感謝申し上げます。今後も、多くの皆さまにご観覧いただくとともに別府の次代を担う子どもたちに見てもらえる機会を作ってもらいたい」と謝辞を述べた。
 続いて、企画展示室前に移動し、民郎さん、長野市長、寺岡教育長、加藤議長がテープカットを行った。
 インタビューに民郎さんは「別府市で初期の作品から晩年の作品まで一堂に飾れるのは初めてで、喜んでいます。若い人に見てほしいので、別府の小・中学生に来ていただき、見てもらえれば嬉しい」。
 史郎さんは「作品は家やアトリエにかけていて、兄がまめに入れ替えをしていたので馴染みのあるだが、これだけの作品が一堂で見ると感慨深い。保管して皆さんに見てもらうことが供養になると思う」。
 愛弟子の檜垣さんは「岩尾先生は『真の絵描き』という人でした。生活も考え方の中心にあるのが『絵』でした。一人でも多くの人に作品を見てもらいたい」。
 和田さんは「岩尾先生の言葉と岩尾先生から学んだ檜垣先生の言葉。残りの作品も展示して、今回の展示会は美術が分からなくても絵の前に立ってもらいたい」。
 檜垣別府市美術館長は「郷土の代表的な作家の作品を一括寄贈を受けたので、別府市の財産。残りの320点に関しては、常設的な展示も行いたい。今後、絵本の原画もいただいたので、額装しなおして物語として展示をしてみたい」とそれぞれ答えた。