別府警察署は23日、特殊詐欺(警察官をかたったオレオレ詐欺)被害の発生を発表した。被害金額は3千万円。
市内在住の60歳代女性の携帯電話に7日、「+(プラス)」で始まる国際電話番号で電話がかかり、大手通信事業者を名乗る男から「あなた名義の携帯電話から多くの人に迷惑メールが送られ、被害届が出ている。2時間以内にメールを送った人物があなたではないということを証明しないと電話が使えなくなる。それを証明するために警察から無関係証明書を発行してもらう必要がある」などと言われ、電話を代わった長野県警の警察官を名乗る男に「あなた名義の口座の通帳を特殊詐欺の犯人が持っていた。あなたの身柄を拘束します」などと言われた。同日に検察官を名乗る男から電話があり「逮捕前保釈保証制度があります。保釈保証金として200万円を指定する口座に振り込んでください」などと言われた。それを信じた女性は9、10日に現金を引き出し、10日に金融機関のATMから検察官を名乗る男が指定する個人名義の口座に200万円を振り込んだ。
検察官を名乗る男とは20日まで毎日連絡を取っていたとき、男から「あなたの口座にあるお金は、逃走資金と思われるので全額出金してください。出金したお金の番号を調べればあなたの身の潔白を証明できる」などと言われた。それを信じた女性は20日正午ごろ、自宅マンション駐車場において調査員を名乗る男に現金2800万円を3枚の封筒に分けて入れたリュックサックを渡し、合計3千万円をだまし取られた。
女性に同日夜、ショートメールサービスで「資金調査預かり証明書」が送られてきた。それ以降は男から連絡がなくなったため、証明書に記載された電話番号に電話したところ、携帯電話のアプリが警告を発した。女性から相談を受けた知人女性が21日夜、別府署に来署して被害が判明した。
同署は「県下で警察官や検察官をかたる詐欺が相次いで発生しています。警察官や検察官が現金を預かったり、確認することはありません。お金を渡したり、振り込んだりする前に家族や最寄りの警察署に相談してください」と呼びかけている。