別府市消防本部は12日、昨年1年間の火災、救急、救助活動の概要をまとめた。火災件数42件(対前年比2件増)、救急出動件数8887件(530件増)、救助出動件数109件(23件増)となった。
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火災件数は42件(対前年比2件増)で、約9日(8・69日)に1件の割合で発生している。
42件の内訳は、建物21件(全体の50%)、その他14件(33・3%)、林野5件(11・9%)、車両2件(4・8%)、となっており、船舶火災と航空機火災は発生していない。
建物火災の焼損棟数は27棟(13棟減)で、焼損程度の内訳は、全焼3棟(10棟減)、半焼0棟(2棟減)、部分焼14棟(4棟増)、ぼや10棟(4棟減)となっている。建物火災のみの損害額は3485万4千円(1985万3千円減)となっている。
損害額は4096万9千円(1557万2千円減)、建物焼損面積323・16平方㍍(1615・04平方㍍減)、林野焼損面積583・91㌃(583・42㌃増)、り災世帯数17世帯(14世帯減)、り災人員29人(19人減)となっている。死傷者の内、死者1人(4人減)で、負傷者は4人(2人増)だった。
出火原因は、昨年に続き「電気関係」が9件と最も多く、次いで「たばこ」3件、「火入れ」及び「放火疑い」各2件、「ブレーキの火花」「火遊び」「エンジンオイルの漏洩排気管接触」「ろうそく」「再燃」「炭火がはねる」「考え違いにより使用を誤る」「無意識(放火・放火疑い以外)」「放火」「ガスバーナー」「漏電」「火の粉が飛ぶ」「煙突(伝導加熱)」「火のついたごみ」が各1件。「不明」が9件で「調査中」は3件。
また、「電気関係」の分類別で最も多いのは短絡(3件)で、経年劣化や落雷によるものなど。
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出動件数8887件で、前年と比較し530件増加(対前年比6・3%増)し、1日に約24件の救急出動件数となっている。
出動件数のうち上位の救急種別は、急病が5959件(67・1%)で前年と比較して361件増加(6・4%増)しており、次に一般負傷が1537件で前年と比較して28件減少(1・79%減)、交通事故は373件で前年と比較して37件増加(11%増)しており、転院搬送は652件で前年と比較し57件増加(9・6%増)となっている。
また、搬送人員7546人であり、前年と比較して399人の増加(5・6%増)となっている。また、市民の15人に1人(令和6年12月末現在住民基本台帳11万2091人)が救急隊によって搬送されたことになる。
また搬送人員の内訳を傷病程度別にみると7546人のうち、死亡118人、重症723人、中等症の3368人、入院加療を必要としない軽症傷病者及びその他の搬送人員は3337人と全体の44・2%となっている。
年齢区分別にみると、生後28日未満の新生児・生後28日以上満7歳未満の乳幼児254人(3・37%)、満7歳以上から満18歳未満の少年173人(2・29%)、満18歳以上満65歳未満の成人1921人(25・5%)、満65歳以上の高齢者5198人(68・9%)となっている。
出動件数8887件のうち、現場到着時間別(119番入電から現場到着までに要した時間)の状況は5分未満696件(7・8%)、5分以上10分未満6357件(71・5%)、10分以上20分未満1740件(19・6%)、20分以上94件(1・1%)となっている。また、現場到着時間の平均は7・8分(前年8・4分)となっている。令和5年中全国平均10・0分。
搬送人員7546人の119番入電から医療機関に収容するまでに要した時間(病院収容時間)の状況は、30分未満3119人(41・3%)、30分以上~60分未満4195人(55・6%)で最も多く、60分以上~120分未満223人(3・0%)、120分以上9人(0・1%)となっている。また、病院収容時間の平均は33・7分(前年33・3分)となっている。(令和5年中全国平均47・2分)
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救助出動件数109件(対前年比23件増)、活動件数58件(11件増)、救助人員61人(9人増)であるが、前年同様、出動件数に対し、活動件数は約半数となっている傾向は変わらない。
出動件数の内訳は、建物などによる事故が最も多く47件(24件増)と出動件数の約半数近くを占めている。次いで、その他の事故26件、交通事故23件とこれら3つの事故種別が2桁以上の出動件数を占めており、水難事故、風水害等自然災害事故、火災、ガス及び酸欠事故は5件未満の出動件数となっている。
令和5年から令和6年にかけて出動件数が23件増加した中で、建物などによる事故の件数が24件と約2倍近く増加している。この背景には建物などによる事故の救助人員25人のうち70歳以上が16人で半数以上を占めていることから、高齢者の一人暮らしが増加していると推測される。
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此本康秀予防課長は「令和6年は、別府市内で火災が42件発生し、4人の方が負傷(程度:中等症(短期入院)2人、軽症2人)し1人がお亡くなりになりました」
「出火原因は昨年に引き続き、電気関係が上位となっており、リチウムイオン電池の誤った処分方法による火災なども発生しているため適切な処分によるリサイクルが大切です。リサイクルの詳細は、別府市ホームページ(生活↓環境↓リサイクル推進の取組↓使用済みの小型充電式電池)をご覧ください」
「また例年、全国的に出火原因の上位となる、たばこを起因とした火災が別府市でも3件発生しています。布団など燃えやすいものの上で吸わない、捨てる際は水にくぐらせ火が完全に消えていることを確認する、ポイ捨てや灰皿に火が付いたまま放置しないなど、たばこを起因とした火災を防ぎましょう」。
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後藤英明警防課長は「救急に関しては、コロナ流行期前までは、年間約6600件を推移していましたが、令和4年から毎年増加傾向となっており、6年は8887件となりました。消防本部では、現在4隊で運用していますが、昨年10月から月から金曜日を日勤の救急隊を編成し対応しています。また、今年10月から当直に増隊を予定しています」
「救急車適正利用の観点からは、救急隊到着後に不搬送となる案件が1200件程度あり、自分で医療機関受診できる方は、診療時間に受診をお願いしたい。また、体調が悪くなり急いで医療機関を受診したい場合救急車を呼ぶことも救急車の適正利用となります」。