

別府市上田の湯町のホテル白菊は「春分の日」の20日、創業75周年を迎えた。4代目の西田陽一社長(63)に、これまでの白菊、これからの白菊について聞いた。
初代社長で大分県議会議員の経験をもち、会議所会頭もつとめた故西田熊太郎翁が昭和25(1950)年に「白菊荘」を創業。48年に2代目社長功氏が12階建てにしてホテル白菊となった。現在90室を有する別府観光を代表するホテルに近代化した。3代目社長は友行氏。
平成元年に、それまであった25メートルプールを埋めて白菊の御神木から名前をとり、楠湯殿と菊湯殿をオープン。ナトリウム質のなめらかな温泉は美肌効果にいいと人気だ。
陽一さんは父功氏の急逝に伴い、4年間勤務したJTBを退職、昭和62年に家業を継いだ。
新型コロナ禍では2カ月間閉館して、その間は売り上げがゼロ。「本当に厳しい時期でした。しかしやっと今、客足はコロナ前に戻りました。特に目につくのは韓国、台湾、香港からのインバウンド客」という。
最近の傾向は、個人、小グループ、お祝いごと、親子3世代に家族旅行なのだが、会社の慰安旅行も少しずつ復活している。
4分の3世紀を迎えて西田社長が取り組んでいるのが「白菊時間」の提供だ。「ゆったり、のんびり過ごしてもらうための方法」として、12階をウエルカムラウンジとし、午後3時にチェックインしてもらい、アルコール、ノンアルコール、おつまみ、女性パティシエが作るフランス菓子カヌレを無料で提供して、これが好評。夕食は当然だが朝食にも力を入れ、スイーツビュッフェを展開。毎日15種類のスイーツを提供している。
そして5年後を見すえ「白菊ビジョン2030」をスタートした。5代目の吉德さんをリーダーに、各職場から10人を選抜してプロジェクトチームを発足。2月には発表会を開きパートも含め120人の従業員が5年後の白菊について考える場となった。
従来の経営理念は「豊かな心でおもてなし」というものだったが「社員の幸せと成長を共につくり、共によろこび、ふるさと別府の幸せに貢献します」という一文を加えた。
西田社長は慶応義塾大学OB。元別府青年会議所理事長のほか、県旅館ホテル生活衛生同業組合長、別府市旅館ホテル組合連合会会長と役職も多い。