別府商工会議所の昨年10~12月景況調査

別府市内75社が回答した

 別府商工会議所はこのほど、2024年10月から12月の企業景況調査を発表した。今回で45回目。
 市内の会議所会員75社に、調査票を発送し100%の回答を得た。調査項目は売上高、売上単価、資金繰り、借入難度、収益状況、雇用人員、自社の業況判断。
 今回の調査では、「商工会議所に望むこと」を訊いている。回答は用意した選択肢から選ぶのではなく自由に記載してもらった。「望むこと」とは異なると判断できる回答を除いた有効回答数は17社(回答率23%)で、うち個人企業の回答率は37%(15社/41社)と高く、法人企業の回答率は6%であった。経営資源に乏しい個人企業に対する経営支援の充実が望まれる。試みに回答内容を分類したところ「会員交流会開催」の要望が4社と最も多く、次は「補助金申請等支援」他3項目が2社回答と続いた。会員支援サービスの充実・拡充に活用してもらいたい。
 ▽売上高=総合DI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)は4・0とわずかのプラスとなった。前回は1・3であり弱含みでも改善に向かっていることは確かではあろう。大分類ではもの造り関連がマイナス4・5(前回マイナス31・8)、卸小売業関連が10・0(0・0)、サービス業関連が6・1(24・2)となった。もの造り関連はマイナスDIであるものの前回比で大きく改善しているが、サービス業関連は前回比で18・1ポイントも悪化していることが懸念される。
 ▽売上単価=総合で24・0(前回26・7)であり、業種別でも5業種全てで2桁のプラスとなった。最も低い業種は卸小売業で10・0、次に飲食業の15・0が続いている。この2業種では販売単価のアップがしづらい傾向がありそう。今期は順調に単価上昇ができたようだが、来期予想では総合で8・0(17・3)と大きなブレーキが掛かる可能性がある。
 ▽資金繰り=総合では前回(マイナス17・3)から6・6ポイント改善のマイナス10・7となった。大分類では卸小売業関連が前回のマイナス25・0から5・0とプラスへ転じた。なお来期見通しはマイナス5・0とマイナスに戻る予想となっていることが懸念材料である。
 ▽借入難度=毎回の調査でもそうだが、今回も資金繰りDIよりも借入難度DIの方が良好だといえる。ただし前回比や来期予想比からみるとわずかではあるがDI値は悪くなる傾向がみられる。
 ▽収益状況(経常利益)=今回は総合で1・3とプラスとなった(前回はマイナス12・0)。もの造り関連がマイナス13・6とマイナスではあるものの、前回のマイナス40・9から27・3ポイントの改善をみたことが特筆される。しかし来期見通しは総合でマイナス13・3と再びマイナスを示しており油断のできない状況が続いている。
 ▽雇用人員=不足の状態がいつまで続くのか全く見通せない状況が続いている。マイナスDI値が最も小さいのは宿泊・サービス業でマイナス23・1であった。逆に最も大きいのは製造業のマイナス45・5であった。経営者は雇用人員の不足が超長期的に続くという前提でビジネスを展開できる事業モデルを創ることが求められていると思料する。
 ▽自社の業況判断=5業種でプラスだったのは宿泊・サービス業でDI値は15・4であった。なお前回は30・8だったので15・4ポイント悪化したことになる。更に来期見通しではマイナス23・1と大きなマイナスを予想している。