
岩尾一郎さん(右)、後藤哲律さん
別府竹製品協同組合(岩尾一郎理事長)は「第72回竹の感謝祭」を5日午前10時30分、八幡朝見神社で行った。同組合員や関係者らが出席した。
組合員を代表して、古稀で伝統工芸士の岩尾さん(70)、岩尾竹籃社員で弟子の後藤哲律さん(44)の師弟が神前に奉納する竹かご「四海波(しかいなみ)」を制作した。
2人は、幅2・7㌢、長さ3㍍のマダケのヒゴ16本を力強くかつ手早く編み、幅55㌢、高さ40㌢の「大四海波」を完成させた。それを見ていた出席者から大きな拍手が贈られた。
続いて、2人は「四海波」を奉納し、神事が斎行された。
献籃製作をした岩尾さんは「朝見神社で5~6回は行っています。神事を前に献籃するということは、その年に特別のことがある人を選んでいます。私が古稀という巡り合わせで、パートナーを弟子に選びました。過去には師弟での献籃はあると思う」、後藤さんは「今回で3回目。岩尾さんとはほかの場所では一緒に作品制作をしたことはあるが、朝見神社では初めて。神様の前で行うので、身が引き締まります。最近は三角形など多角形のものを組み合わせた花籠が多い。今後はこの道を突き詰めていく」とそれぞれコメントした。
竹の感謝祭は、昭和29年から続いており、伝統的工芸品産業の成り立ちそのままに、自然の恵みを匠の技で形作るものとして、竹に感謝し、先達をしのび、参加者の懇親を目的としている。
「四海波」は、おめでたい席で謡われる謡曲にちなんだもの。四つ目編みを底にし、四辺を波の形に組み上げてまとめたかご。