別府市観光・産業部参事兼温泉課長

有限の資源を100年先も

樋田 英彦(ひだ ひでひこ)さん(56)

 別府で生まれ育ち「いずれは別府に戻って仕事をしたいと思っていました」と言う。同朋大学を卒業後、平成4年に別府市に入った。
 平成30年に健康づくり推進課参事、令和元年に同課長、令和4年に温泉課課長、令和6年に観光・産業部次長兼温泉課長を歴任した。
 健康づくり推進課課長の時に、新型コロナウイルスの感染拡大があり、「分からないことだらけで、とにかく大変でした」と話す。別府市は、2021年6月に旧山の手中学校で独自の抗原検査とPCR検査が無料で受けられる「別府市PCR検査センター」を開設した。「市民の生活や命にかかわる中で、前例のないこと。まん延しないように、職員と一緒になって考え、市医師会や関係機関と協力しながら、ゼロから立ち上げた。他の課とも一緒になって解決に向かって足並みをそろえてやれたことは、とても大変でしたが、大きな財産になりました」と振り返る。
 温泉課では、「別府市温泉マネジメント計画」の策定にも携わった。「市民も観光客も利用者がみんな一緒になって、大切な資源だと認識してもらうことが基本。温泉は無限の資源ではなく、有限の資源であると認識し取り組むことが必要」
 「次の100年も、別府であり続けるためには、世界に誇れる資源を残していけるように、次世代にも大切さを継承していかないといけない」。共同温泉も経営が厳しいなど課題がある。「共同温泉は、地域にも大切なコミュニケーションの場として残していかないといけない。地域と一緒に考えていかないといけない」と言う。
 仕事をする上で、大切にしていることは「一所懸命」。「どの職場でも、しっかり、仕事と向きあいながら進めること」。趣味は城めぐりで、御城印も集めている。「学生の頃から城を見るのは好きです。城址とかも好きで、40カ所以上は回りました」と笑顔。家族は妻と長男と次男。