佐藤大分県知事の県政方針③

「ツールド・九州」ステージを大分と宮崎で開催。
日本を代表するスポーツイベントに

【元気①】自ら考え・動き・みんなで実現する元気な農林水産業
▽経営体の状況
 高齢化により基幹的農業従事者、農業経営体ともに減少。H22年から令和2年基幹的従事者数3・4万人↓ 2・1万人。経営体数3・1万件↓1・9万件。一方で、売上3000万円以上の農業経営体は増加。H22年から令和2年380件(全体の1・2%)↓416件(全体の2・2%)。
▽新規就農者の状況
 年280人程度で推移しているが、景気改善により若者の就農数が減少。若者は雇用就農を希望する方が多い。若者を呼び込むためには受け皿となる経営体確保が必要。
▽今後の生産拡大対策
 新たに、市場や企業等からのニーズが高く多様な経営体の参入・拡大が県域で見込まれる品目を園芸基幹品目として支援(15品目)。R6年までの短期集中県域支援品目はねぎ、ピーマン、高糖度かんしょ、ベリーツ。果樹300ha拡大推進品目はキウイフルーツ、かぼす、ハウスみかん、露地柑橘、なし、ぶどう、くり。加工業務用推進品目はたまねぎ、キャベツ。国内有数の生産量を誇る品目はホオズキ、トマト。
 農業の成長産業化に向け、力強い経営体を確保するとともに、園芸や畜産の生産基盤を強化
 力強い農業経営体育成事業(5772万円)
 地域を牽引する農業経営体を確保・育成するため、意欲ある経営者に対する研修を開催するとともに、経営課題の解決等に取り組む経営体等を支援する。
 企業等農業参入推進事業(5038万円)
 農業経営体の確保・育成に向け、県内外企業の農業分野への誘致を迅速かつ効果的に行うため、参入企業に対する総合的な支援を実施する。金融機関と連携した企業誘致を強化。東京都、大阪府及び福岡県での農業参入相談会の実施。農業用機械の導入や農地等の整備への助成は補助率1/2以内(県1/3、市町1/6)など。
 園芸基幹品目産地づくり加速化事業(3億8489万円)
 マーケットニーズが高く、企業等からの参入希望が増えている園芸基幹品目の産地拡大を加速させるため、認定農業者等が行う栽培施設の整備等を支援する。一定以上の規模拡大を行う園芸基幹品目は補助率2/3以内(県1/3、市町1/3)など。
 肉用牛生産基盤拡大支援事業(9億9902万円)
 畜産農家の生産基盤を強化するため、優良な繁殖雌牛への更新に向けた取組等を支援する。高能力繁殖雌牛の確保に向けたゲノム検査経費への助成は補助率2/3(県1/3 市町1/3、1300頭分)。県有種雄牛産子など優良な繁殖雌牛への更新に対する助成は補助単価5万円/頭(1000頭分)。畜産公社肥育預託制度の預託原資の貸付(1700頭分程度)は貸付単価70万円/頭(素牛預託)~115万円/頭(飼育管理預託)など。
森林・森林経営の現状
 本格的な利用期を迎える一方、高齢林が多く、若齢林は非常に少ない状況であり、将来の林業生産活動に支障をきたすおそれ↓大径材を「伐って・使う」、早生樹を「植えて・育てる」ことにより、将来資源を確保することが必要。
水産業の現状
 国際情勢の変化による飼料代など生産コストの高騰が課題。加えて、高水温化や水産資源の減少など環境変化が経営を圧迫。一方、産地の拠点となる蒲江加工センターや種苗生産施設(国東)がR6年から稼働開始↓高騰するコストや環境変化への対策が必要。
農林水産業の産出額目標
 R14年の産出額目標は農業1291億円、林業216億円、水産業409億円計1916億円。
 大径材の活用を進め循環型林業を確立するほか、新技術を活用し環境変化に対応した水産業への転換を推進。農林水産業の成長産業化に向け産出額増を目指すことから、さらなる販路の開拓が必要であり、大阪・関西万博を捉えた関西での販売促進などに取り組む
 林業再生県産材利用促進事業(1億3087万円)
 県産材の需要拡大と高齢林の伐採・活用を図るため、製材業者が行う木材の加工流通施設の整備や大径材利用促進の取組等を支援する。大径材活用に対応した設備整備への助成は補助率1/3、限度額500万円。県産材を活用した新商品開発や県外でのPRに要する経費への助成は補助率1/2、限度額100万円など。
 環境変化対応型養殖推進事業(2800万円)
 環境変化に対応した持続可能な養殖業への転換を図るため、スマート技術を活用した生け簀の長期沈下状態での養殖手法の実証等に取り組む。
 海づくり大会を契機とした水産物消費拡大事業(3850万円)
 全国豊かな海づくり大会を契機とした県産水産物の消費拡大を図るため、県民の水産業への関心の高まりを次世代へ継承する取組を実施するとともに、新たな販路開拓に向けた取組等を支援する。小中学生を対象とした「海づくり教室」の開催。大会ロゴマークを活用した県産水産物消費拡大キャンペーンの実施など。
 The・おおいたブランド流通販売戦略推進事業(4080万円)
 県産農林水産物の販売を促進するため、マーケットニーズに対応した販路開拓に取り組む。大阪・関西万博自治体催事への出展による県産農林水産物のPR。県にゆかりのある企業が有する販売網を活用した販路開拓など。
【元気②】力強く元気な経済を創出する産業の振興
 日銀による大分県内の景気動向では、「回復のペースが鈍化している」。日銀・大分県内の景気動向(R7年4月公表分)
 近年増加傾向にある承継実現件数は、R6年度72件と高い水準となったものの、後継者不在率は61・3%で、全国ワースト7位。
 地域経済の活性化に向けて、中小企業の資金繰りを支援するとともに、事業承継を推進
 中小企業金融対策費(592億1528万円)
 県内中小企業の資金繰りを支援するため、県制度資金により民間金融機関や政府系金融機関の金融を補完する(新規融資枠700億円)。借換えにより経営改善を目指す事業者向けの資金の創設、融資利率1・6~2・2%、保証料率0・15~0・65%。経営サポート会議等の支援を受けながら事業再生に取り組む事業者向けの資金の創設、融資利率1・6~2・2%、保証料率0・15%。事業承継資金の保証料率の引下げ0・25↓0・15%など。
 おおいた事業承継推進事業(1665万円)
 県内中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継を実現するため、事業承継診断の対象を50歳に前倒し早期着手を促すとともに、市町村など関係機関と連携し事業承継支援体制を強化する。国、県、市町村が連携した県内企業へのアンケート調査の実施(16000社)。支援機関を集めた地域ごとのエリア連携キックオフ会議の開催(4か所)。