6年ぶりに回天神社例祭を開催

回天での特攻により亡くなった
多くの英霊の冥福を祈った

 日出町内有志一同と日回(ひまわり)ボランティアグループ(長野久子代表)は25日午前10時、大神の回天神社で令和7年戦後80年「回天神社例祭」を開催した。多くの人が集って例大祭をするのは、6年ぶり。約60人が参列した。
 回天は、太平洋戦争中に日本海軍が開発した人間魚雷。操縦士1人が乗り込み、相手に突っ込む特攻兵器。名前の回天には、「天を回し、戦局を逆転させる」という意味が込められている。
 大神では、牧の内地区が大神回天の訓練基地となり、昭和19年秋から工事が行われた。訓練は別府湾で行われ、273人が訓練をしていたという。出撃命令が出て、愛媛県宿毛湾の麦ケ浦に行ったものの、そのまま終戦を迎えたため、同基地からの回天による戦死者はいない。
 大神回天神社には、潜水艦乗組員812人、白龍隊員120人、回天搭乗員106人、回天整備員35人の計1073人が祀られている。
 大神回天会会員でもある岳星会の牧岳秀さんが慰霊詩吟を披露。英霊とともに、これまで大神回天会の事務局長・代表として活動し今年1月に亡くなった魚住修三氏にも黙とうを捧げた。小石護久宮司が神事を行い、大神回天会世話人の工藤健次町議、坂西和宏日出町まちづくり推進課長(町長代理)、金元正生町議会議長、三浦正臣県議、宮本修一大分県隊友会長、長野代表らが玉串を奉てんし、英霊の冥福を祈った。
 例祭終了後、長野代表が歴史を継承するため、多くの人の協力を呼びかけた。