
別府アルゲリッチ音楽祭で中ヒデヒトさんと
岩佐和弘さんが指導を受けながら演奏した
第25回記念別府アルゲリッチ音楽祭の「大分銀行presents育成プログラム 吹奏楽レッスン」が18日午後2時、大分県立別府鶴見丘高校で実施し、同校吹奏楽部80人がレッスンを受けた。
講師は、岩佐和弘さん(フルート)、中ヒデヒトさん(クラリネット)の2人。
岩佐さんは、東京音楽大学卒業後、渡仏。フルートをレイモン・ギオー、工藤重典両氏に師事。パリ10区立ベルリオーズ音楽院、及びパリエコールノルマル音楽院を首席で卒業。パリUFAM国際コンクールフルート部門に入賞。1991年、小澤征爾氏指揮、サイトウ・キネン・オーケストラのヨーロッパ、アメリカツアーに参加し、以来30年以上に渡り、松本でのサイトウ・キネン・フェスティバル、ツアーに参加。93年、東京文化会館にてリサイタル開催。これまでに霧島国際音楽祭、宮崎国際音楽祭、水戸室内管弦楽団、パイヤール室内管弦楽団、トウキョウ・モーツァルト・プレイヤーズの公演などに出演。
中さんは、東京藝術大学を卒業後、パリ地方国立音楽院で学ぶ。2009年よりサイトウ・キネン・オーケストラ及び水戸室内管弦楽団に参加。日本を代表する作曲家たちの指名を受け、TVドラマ、CM、映画など年間300本以上のプログラムの録音に参加。作編曲家としても活動しており、音楽制作を行っている。18年より「ナカオンガク企画」を立ち上げて、室内楽のコンサートを定期的にプロデュースしている。
同校吹奏楽部80人が「マーチ《メモリーズ・リフレイン》」(伊藤士恩)、「《フェスティヴァル・ヴァリエーション》」(C・T・スミス)の2曲の指導を受けた。部員は演奏のポイントなどを教わり、指導前と指導後で良くなっていった。
指導終了後、岩佐さんは「今はリズムや音程を守ろうとする段階だったので、それをどのように表現するのかということを、それぞれが考える。精度を上げる練習をし、どのように聞こえるのだろう、結果としてどのように聞こえているかを、パート内や仲間と相手の音を聞き合って、意見を言えば良くなってくる。良くするために先輩後輩関係なく忖度なしで言うことで、伸びると思う。最終目標の『どのように表現するか』を最初から考えるように」。
中さんは「一番楽しい状況は、お互いの音が聞けて、理解できている状態。どうやったら快適に楽しい環境を作れるかを、本日の2時間で方法を教えました。細かい精度を上げていって、個人の課題をクリアして、近い人たちが聞いて、最終的に全体でお互いによく聞いてる環境を作ることで、楽しく演奏できると思います。まずは個人レベルで、すべての音を整理整頓していくことを、この2カ月でやっていってください」とそれぞれ講評した。
冨田夏帆吹奏楽部長(17)は「いろいろな練習方法や表現の仕方を教えていただき、良い時間になりました。特に表現の仕方を深いところまで教えていただき、分かりやすかったです。『別府鶴見丘高校吹奏楽部はすごい』と思われるように、皆で頑張って練習する。演奏会までの2カ月間は、きょう教えていただいた練習方法や表現の仕方を今後、実践して本番で良い演奏ができるようにしていきたい」と話した。
レッスンの成果は7月13日午後3時、別府市公会堂大ホールで開催する。入場は無料で全席自由だが、整理券が必要。応募は、応募フォーム(公益財団法人アルゲリッチ芸術振興財団ホームページの「公演一覧」↓「吹奏楽レッスン成果発表と講師による演奏」)から行う。応募期間は6月2日まで。対象は、小学1年生以上(未就学児不可)で、中学3年生までは保護者同伴。応募者多数の場合は抽選の上、6月中旬ごろに応募者のメールアドレスに抽選結果を通知する。