湯けむりライドシェアGLOBAL

4月28日から実証運行が始まった
「湯けむりライドシェアGLOBAL」
=28日撮影
会見で3週間の
実績について話す長野市長

 長野恭紘別府市長は21日午後1時半、記者会見を開いて「湯けむりライドシェアGLOBAL」の運行状況について報告した。
 4月28日から実証運行をスタート。5月18日までの3週間で、1594件の配車依頼があり、62・5%の乗車率で、応答できなかった割合も37・5%あった。乗車のうち、外国人観光客は58・5%。全体の運賃収入は、308万2千円となっている。
 ゴールデンウイーク(4月28~5月6日)の実績は、773件の配車依頼に対し、乗車率は63・3%で、応答できなかったのは36・7%だった。乗客のうち47%が外国人観光客。
 この結果に、長野市長は「既存事業者において、足りない部分をカバーするのが基本の考え方」としながらも、「いまだ37・5%には応えられていない。やってよかったという思いはあるが、決して満足はできていない。この数字は満足してはいけない数だと思う。選ばれる観光地として移動手段は必須。ライドシェアを入れても需要に応えられていないという数字が出た。時間帯によっては重なって需要に100%応えられていない状況が明らかになった」と話した。
 時間帯別では、午後2時台の依頼が最も多い。乗車地は、温泉・観光施設が32・1%で、宿泊施設、駅・バス停・空港、飲食店、買い物の順となっている。降車地では、宿泊施設が多い。
 ドライバー数は65人で、登録車両は32台(予備車を含む)で、今月行っている講習による第2次では45人、16台が追加となり、全部で110人、48台となる見込み。一方で、講習を受けて登録をしても実働するかどうかは、ドライバー次第という面もあるため、今後も状況を見ながら募集を行うことにしている。ドライバーへの聞き取りでは、感謝の声が多く、やり甲斐につながっているという。トラブルの報告はない。長野市長もゴールデンウイーク中に2回乗車し、4件の乗車があったと明らかにした。
 タクシー事業者へのヒアリングも行い、長野市長は「前年とあまり変わっていないと聞いた。迎車料金を高く設定したことで、観光客と市民利用のすみわけができているのではと思う。(数字が出たことで)これはビジネスチャンスとして捉えてほしい。行政としては、観光客が増えることで市民の移動手段が確保できないことを回避するための手段でもあり、最終的にはそこが一番の目的。数字をもとに話をしていくことができるようになったのは良いことだと思う」と話し、今後も公共交通事業者と連携しながら、持続可能な観光地づくりを進める考えを示した。