
(前列左から)小野貴史さん、馬見塚香織さん
別府警察署(羽田優一署長)は5月28日午前9時30分、特殊詐欺被害防止をした2人に感謝状を贈呈した。
受賞者は、エディオントキハ別府店の由布市庄内町大龍の会社員、小野貴史さん(52)、野口元町のパート従業員、馬見塚香織さん(36)の2人。店長の尾畑貴浩さんが同席した。
2人の功労は、今年5月20日、勤務場所のエディオン別府トキハ店でプリペイドカード30万円分を購入しようとした高齢者の購入理由が不審であったことから、特殊詐欺被害を疑い、警察に通報するなどして、被害を未然に防止した。
感謝状を贈呈した羽田署長は「別府署管内では残念ながら特殊詐欺被害が増加傾向にあります。警察だけでは被害防止は難しいのですが、よくぞ詐欺被害に遭いそうな人に気がついて、勇気を持って声かけをし、被害者を救ってくれました。一般市民の『犯罪は許さない』という思いが、今後の犯罪抑止にもっとも効果がある。今後も、詐欺を含めて犯罪の未然防止に対して、ご協力をお願いします」と謝辞を述べた。
受賞した馬見塚さんは「高齢者に話しかけたときに『リンゴのカードがありますか』と問われ、売り場に案内しました。『いくら分、必要ですか』と問うと、高齢者は『3枚』と答えた。『いくら分ですか』と質問すると、『10万が3枚』と言われたので、おかしいと思い、小野さんに相談しました。自分が表彰されるとは思っていなくて、びっくりしています。今後も声かけをしていく」。
小野さんは「30万円という額を聞いたとき、おかしいと思ったので、利用目的を聞きました。具体的に言わなかったので『全部話してください。相談に乗りますよ』と言うと、高齢者が理由として『未払いがある。30万円分を購入してこい』と相手から言われた旨を話してくれた。『実はこれは言ったらいけない』とも言われていたことを話したので、これはおかしいと思い、着信履歴を見ると海外からの着信が残っていたので、警察に相談しました。めったにこのようなことは無いですから、うれしい。お客さまが被害に遭わなかったし、財産が守れたことが一番です」とそれぞれ当時の状況や感謝状を手にしたときの思いを述べた。