

鉄輪の株式会社一也百(安波治子代表取締役)が建設した「冨士屋ホテル」が7月12日のグランドオープンを前に4日、地元の人や旅館・ホテル関係者などを招いて内覧会を行った。木を縦横圧着させて、鉄筋の代わりとなる強度をもつ木造構造「CLT構造」で、総CLT構造の3階建ては、大分県では初めて。
旧冨士屋旅館は、明治32(1899)年に開業したが、平成8年に旅館としての営業はやめ、現在は「冨士屋一也百ホール」として、コンサートホールやレンタルスペース、愉しい食卓はなやももショップとして営業を行っている。4代目の安波社長が旅館業を再開したいと庭園内に建築した。
明治時代から続く建物(国の有形文化財登録)の奥に新しい木造の建物が見え、1階は地獄窯がズラリと並び自炊ができる鉄輪の湯治文化を象徴する「地獄蒸しキッチン」があり、宿泊は基本朝食のみか素泊まりで、キッチンで自炊をしながら他の宿泊客とも交流ができるようにした。
客室は17室。部屋ごとにコンセプトが違い、冨士屋リビングスイート(1泊1室11万8千円~)では、九州初導入のオーストリア・RELAX社のウッドスプリングベッドでゆっくりとした眠りを提供。他にも1人でも気軽に過ごせる「Toji ROOM」(1泊1人1万8千円~、2泊から利用可能)などいろんなタイプの部屋がある。また、大分の名工・作家の「本物」に触れてほしいと土壁、湯籠、食器など職人の技が感じられる工夫が随所にされている。
屋上は湯けむりや別府湾、高崎山などを見ながらのんびりできるルーフトップも。予約は公式ホームページ(https://kannawa-fujiya.com/stay/)から。