
別府市内の空き家の所有者などに向けて、管理や活用方法などの情報をまとめた「別府市空き家の手引き」がこのほど発行された。別府市と株式会社サイネックスが手がけた。
空き家は、空家特措法によって、建造物などはあるが誰も住んでいない状態の「空家等」と、放置を続ければ倒壊等の著しい保安上危険な状態にある「特定空家」に分類されている。
別府市は、令和5年8月に「第2期別府市空家等対策計画」(2028年度までの6カ年)を策定。令和4年度には、市内全域の実態調査を行った。約2400件の空き家があり、現在もあまり変わらないという。空き家の取得経緯をみると、半数以上が「相続」。そのままにしている理由は「物置として必要」「解体費用をかけたくない」「さら地にしても使い道がない」「将来、自分や親族が使うかもしれない」「取り壊すと固定資産税が高くなる」など様々。しかし、使用しないままにしておくと家屋の傷みは激しくなって特定空家になってしまったり、庭の草木が伸びて近隣の迷惑となるトラブルになったり、不審者が入り込んだりと衛生面や防犯面でも課題が生じる。そのため、別府市では、持ち主に適正な管理や空き家バンクに登録して利活用を促すなどしている。累計の空き家バンク登録は226件で162件が成約済みとなっている。
「手引き」では、まずは空き家の状態を知るため、チェックシートで管理や傷み具合を確認。売却や賃貸を検討する際に必要なこと、メリットとデメリット、相続した土地を国が引き取る制度などについて説明している。
また、別府市の補助金、税控除、相談窓口、空き家バンクの登録といった空き家に関する知りたい情報、「分からないこと」が分かりやすく書かれている。冊子は、市役所、各出張所などで配布しており、公式ホームページからも電子版を見ることが出来る。空き家対策を担当する渡邊克己市建設部次長は「空き家が1件でもなくなるのが理想。できることをこれからもやっていきたい」と話していた。