
別府商工会議所はこのほど、1月から3月の企業景況調査を発表した。今回で46回目。
市内の会議所会員75社に、調査票を発送し100%の回答を得た。調査項目は売上高、売上単価、資金繰り、借入難度、収益状況、雇用人員、自社の業況判断。
今回の調査では「今後取り組みたいIT・デジタル化の内容について」の回答をもらった。選択肢は7つでいずれも該当しないときは「その他」として自由記入欄を設けた。有効な回答をした企業数は48社(回答率64%)で、一社あたりの回答項目数は1・5だった。全業種で最も多かったのは「SNSの活用」で全回答数73に対する構成比は40%、次は「HPの作成・リニューアル」の22%であった。この2つは業種別でも1位と2位を占めていた。他の5項目は一桁の回答率であり、この2つをしっかりと事業活動に活かしていきたいと経営者は考えている。
▽売上高=総合DI(※DIとは、企業が「良い」と回答した割合から「悪い」と回答した割合を引いた数値。数値が高いほど良好)の今期は6・7と前期の4・0より2・7ポイント改善した。大分類ではサービズ業関連が前期の6・1から今期が15・2と9・1ポイントと大きく改善したことが影響している。総合の来期見通しはマイナス9・3とマイナスであるが、前期の「来期見通し」がマイナス2・7であったことから、売上高に関しては慎重な経営者が多いように思料する。
▽売上単価=総合と3つの大分類、5つ業種のすべてで同指標はプラスとなっている。前期でも全てプラスであったので好調を維持している。ただし来期見通しでは卸小売業でマイナス10・0となっており、今期実績の15・0から急減速する可能性が高そう。売上単価を引き上げることで、客離れを心配している。売上単価の引上げ率には慎重でありながらも、企業経営の基礎である利益確保のためには必要な範囲で単価UPを実現させることが必要。
▽資金繰り=総合では前期と同値のマイナス10・7という結果だった。前期は卸小売業が5・0と唯一のプラスを示していたが、今期はマイナス10・0とマイナスに転じた。前期比では飲食業(マイナス10・0)が10・0ポイント、製造業(ゼロ)が前期比9・1ポイント改善している。なお建設業(マイナス18・2)と宿泊・サービス業(マイナス15・4)は前期と同じDI値だった。
▽借入難度=総合ではマイナス1・3と前期のマイナス5・3から4ポイント改善しゼロまで手が続くところまで到達している。それを牽引したのがサービス業関連の2業種。他の3業種は前期と同値であったが、サービス業関連2業種はともに改善している。宿泊・サービス業は前期マイナス15・4から今期ゼロへ、飲食業はマイナス15・0からマイナス10・0と宿泊・サービス業の改善効果が大きかった。
▽収益状況(経常利益)=総合の今期はマイナス17・3と前期の1・3より大きく悪化した。業種別でも前期では卸小売業と飲食業がプラス、宿泊・サービス業がゼロであったところ、今期では全5業種でマイナス値を示した。最も悪い業種は建設業でマイナス36・4、最も良いのが飲食業のマイナス5・0である。
▽雇用人員=総合ではマイナス25・3と前期比で9・4ポイントの改善がみられた。3つの業種でDI値がマイナス10台と希望の灯が見え始めた。その3業種は建設業(マイナス18・2)、飲食業(マイナス15・0)、宿泊・サービス業(マイナス15・4)である。建設業は来期見通しでもマイナス18・2を予想しており、ゆっくりではあるものの全体的には雇用環境は改善に向かっている。
▽自社の業況判断=総合ではマイナス2・7と前期(マイナス9・3)より改善した。来期見通しでもマイナス10・7と前期の「来期見通し(マイナス20・0)」から大きく数値が改善してきた。