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まとめた恒松栖さん
湯山に住む恒松栖さん(87)は5月31日、終活の一環として自身がこれまで約50年間、明礬などについて研究した成果として「郷土誌研究 硫黄明礬湯の花研究全集」上下巻A4サイズ約750㌻にまとめ、50セットを作製した。非売品。
研究は、明礬を中心に豊後硫黄、豊後明礬、薩摩明礬、肥前明礬、湯の花生産をしていた。内容は全6章で構成されており▽第0章=明礬・湯山地域を取り巻く自然と歴史▽第1章=豊後硫黄の生産の概要▽第2章=豊後明礬の生産・製造▽第3章=薩摩明礬の生産・製造▽第4章=肥前明礬の生産・製造▽第5章=湯の花の生産の研究と概要―となっており、各章は▽1節「概要」▽2節「研究内容」▽3節「研究史料」―で構成されている。
これまでの研究成果は、縦書き、横書きで別府史談やこれまでの研究論文などがあり、上巻は縦書き、下巻は横書きのものをまとめた。今日新聞で掲載されていた「懐かしの別府ものがたり・明礬物語」など、明礬などについて書かれた貴重な資料が許諾を受けて掲載されている。
50セットは、別府史談会の役員、記事などの掲載について許諾をした各メディア、国立図書館、大分県立図書館、別府市図書館、別府大学図書館に今月末をめどに寄贈する予定。
恒松さんは「大学生のとき、恩師の兼子俊一教授の授業で湯の花のことをレポートにしたことが最初。そこから研究が始まり、本の中には貴重な資料もある。完成して手にしたときは、本当に重かった。一生をかけて作り上げたこの本は、大変だったが宝物ができた。終活として計画を立ててして、最後の自分のものとしてまとまればいいと思った。後に続く人のためのものになれば嬉しい」と述べた。