別府市の温泉発電等対策審議会

委員を代表して由佐氏に委嘱状を手渡した

 別府市は、温泉発電等対策審議会委員の委嘱式を4日午前10時、市男女共同参画センターで開催した。
 審議会は、学識経験者や温泉事業関係者、行政関係者8人で構成。温泉発電などの導入又は温泉発電等掘削に伴う温泉その他地熱流体への影響の評価や、アボイドエリアの指定、温泉発電等に関する施策などについて審議を行う。
 阿部万寿夫副市長が委員を代表して由佐悠紀氏に委嘱状を手渡して「温泉資源の減少や温度の低下が全国的に懸念されています。別府市でも平成30年から令和2年に実施した温泉資源量の調査によると、今後、別府温泉の温度は低下していくというシミュレーションが示されています。温泉は別府にとって宝物。温泉資源を将来に引き継ぐための保全・保護を第一に考えていきたい。皆さんには、温泉発電等に関する重要な審議をしてもらいます。豊富な知識と経験でご協力をいただきたい」とあいさつ。
 会長に由佐氏、副会長に須藤智徳立命館アジア太平洋大学教授を選任した。審議会の概要や別府の温泉発電の現状などについて説明があった。昨年3月の資源エネルギー庁調べでは、地熱発電の固定価格買取制度整備認定件数は、別府市は47件となっているが、温泉発電等の設置状況は今年3月末で設置済み24件、計画中4件、稼働中10件となっている。「タイムラグがある」としながらも、認定を取り消さないまま、すでに廃止や停止しているものがみられるという。
 国は地熱発電に対して、さらなる大幅な導入を目指す取り組みをしている。温泉法における大深度掘削の許可の考え方が都道府県ごとに違うことをあげて、離隔距離規制や本数制限等について、都道府県に対して科学的根拠のない場合の撤廃を含めた点検を求めつつ、科学的知見を踏まえた考え方や方向性の提示などを求めており、別府市の温泉発電条例にも見直しなどの影響が考えられることなどが説明された。