
連携して事業承継に取り組む
別府市事業承継連携支援に関する協定の締結式が15日午後3時、別府市役所で執り行われた。
中小企業の円滑な事業承継を支援することで、別府市における産業及び経済を活性化させ、多様な産業を維持させるのが目的。これまでも、各金融機関等においても事業承継に取り組んでいるが、気密性の高い顧客情報が含まれているため、自社内での取り組みにとどまっていた。そこに別府市がハブとして参加し、起業・創業に取り組んできた一般社団法人別府市産業連携・協働プラットフォームBーbizLINKも参画して横のつながりを持つことで、これまで以上に産業の維持を図りたい考え。ただし、事業承継はセンシティブな一面もあるため、情報の取り扱い方法などについては、慎重に行う。
協定には、別府市、別府商工会議所、大分県事業承継・引継ぎ支援センター、株式会社日本政策金融公庫別府支店、株式会社大分銀行、大分みらい信用金庫、大分県信用組合、株式会社豊和銀行、ビービズリンクが参加。
1枚の協定書に全員で署名。長野恭紘別府市長が「令和5年に行ったアンケート調査では、約3割の既存の事業者が後継者不足による廃業の観測を持っていることが分かった。起業、創業は頑張ってきた自負はあったが、今まで歯を食いしばって別府の中で税金を収めて頑張ってくれた事業者の皆さんが飲食店を中心に廃業になる状況が続き、残念な思いをしてきた。何とか打開しなければと思っていた。皆さんのご支援、協力で協定締結にこぎつけたことは、特別な思いがある。事業者にどういうニーズがあるのか、一律で取り扱うことは困難だと思うが、ケースごとに情報共有をしながら、それぞれの得意分野を発揮し、皆さんと一緒になって別府市の産業を底からしっかり支えていきたいと思っている」とあいさつ。
協定に参加した事業者もそれぞれ「事業承継は単なる引き継ぎではなく、熱い思いと技術を次世代につなぐ大切なもの。連携する仕組みが整ったことは、意義深く、心強い」「事業承継は、長年の大きな課題の1つ。連携を強められることをよろこばしく思っている」「人手不足と後継者難が2大テーマになってきた。難易度が高い課題。行政の声かけで連携して取り組むことは一気通貫の役割が果たせる」「新たな発展に向けた再出発でもあり、地域経済にとっても重要」「異業種の人が事業承継することで化学反応が起こって、新たな発展、新しい発想で取り組む場面に何回も遭遇した。しっかり頑張っていきたい」「行政とタッグを組んで、情報を密にして、雇用を守りながら、地域経済のためにしっかり頑張っていければと思う」「問題の入口、事業承継後のバックアップなど、出来る限りの力を尽くしていきたい」「連携をもとに基幹産業の金融機関がしっかりこの問題に取り組みたい」とそれぞれ話した。
協定をもとに、支援が必要な事業者の掘り起こし、課題整理、情報発信し、マッチングにつなげ、フォローアップを行う。