第27回参議院議員通常選挙

 第27回参議院議員通常選挙の投開票が20日に行われ、大分選挙区(改選数1)では、立憲民主党の吉田忠智氏(69)が現職の自民党・白坂亜紀氏(59)に1万3973票の差をつけて、2年前の補選の雪辱を果たし、当選した。
 大分県内の投票率は58・98%で、前回より6・00ポイント高かった。補選と同様に、自民党の白坂氏と吉田氏の熾烈な戦いとなった。両陣営ともに、連日、大物国会議員が続々と応援に駆け付け、支持を訴えてきた。そこに急速な支持を拡大している参政党の野中しんすけ氏(30)、NHK党の二宮大造氏(54)、新たな政治団体・日本誠真会から安倍正雄氏(46)が立候補。真夏の熱い戦いを制したのは、吉田氏だった。
 全国的には、自民党、公明党の与党が大敗し、議席を大きく減らした。非改選の議席と合わせると、与党は122議席と過半数の125議席に届かない結果に。一方で、参政党や国民民主党は大きく議席を伸ばした。

当選を果たし、万歳三唱をする吉田氏(右から2人目)

 吉田忠智陣営は、20日午後8時から大分市内で開票を見守った。参加者は、スマートフォンで速報をチェックしたり、固唾をのんでテレビを見つめ、開票が終了した市町村ごとの得票差を計算し、一喜一憂。午後11時20分過ぎ、当確が出ると、大きな拍手が起こった。
 吉田氏は支持者が待つ会場に入り、握手をしたりハグをしたりして、共に戦い抜いて掴み取った勝利を分かち合った。花束贈呈のあと、石本健二連合大分会長が「再び、国会に押し上げることが出来ました」と話し、みんなで万歳三唱をした。
 吉田氏は「今回の選挙に当たり、勝利にご尽力をいただいた、皆さん、本当にありがとうございました。2年3カ月前の僅差の敗北から、多くの皆さんから励ましをいただき、戦うことが出来ました。皆さんのお恩にしっかり報いなければいけない。皆さんの味方になれる、代弁者になれる政治家として今日を起点に今一度初心に返って活動をしていきます。物価高を上回る賃金の引き上げ、年金の底上げなど、手取りを増やしていく。食料品の消費税を0%にする。ガソリン税の暫定税率は廃止する。学校給食など教育無償化などこれまで訴えてきた課題をしっかり前に進めていきます。日々の暮らしのためには、平和でなければいけません。戦争をしない、させない外交防衛政策にもついても、国会の内外において同僚議員とともに声を上げていきたい。皆さんの声を私の糧として、誠心誠意活動をしていくことを強くお誓い申し上げます」とあいさつ。
 吉川元総合選対委員長(衆議院議員)が「長く熱い戦いを戦い抜き、県民に選ばれた議員として、参議院の論戦に参加する。これからも、よろしくお願いいたします」。内田淳一後援会長も「6年間、思い切って、大分県のために皆さんと一緒に頑張らせていただきたい」とそれぞれ述べた。