
池田大樹さん(前列左から2人目)、獅々賀友紀さん
JR九州別府駅指導係の池田大樹さん(27)=大分市要町在住=、同駅鉄道係の獅々賀友紀さん(27)=由布市挾間町在住=の2人にこのほど、別府市消防本部から救命救護に伴う感謝状が贈呈された。
2人の功績は、今年2月6日午前10時25分過ぎ、ホームで倒れていた男性客(70)に対し、獅々賀さんが男性客の意識の確認、呼吸・脈の確認、胸骨圧迫をし、池田さんがAEDを持ってきて獅々賀さんと交代で胸骨圧迫を行うなど、適切な救命救護をし、その後、男性は無事に社会復帰した。
2人に感謝状を贈呈した浜崎仁孝市消防長が「ホームで発生した緊急事態に駆けつけ、躊躇することなく、勇気を持って心臓マッサージを直ちに開始し、AEDを準備した2人の迅速な救命活動が、お一人の尊い命を繋ぎとめ、到着した救急隊に引き継いで社会復帰まで導いていただいたことに深く感謝するとともに、敬意を表します。会社を挙げての日々の取組が、この度の迅速な救命活動に間違いなく繋がったものと確信しています」と謝辞を述べた。
記念撮影後、池田さんは「当時、私は改札口にいて、急病のお客さまがいらっしゃるということで、急いでAEDの準備をしました。その間、獅々賀さんに対応していただきました。初めての経験でしたので、緊張しましたし、これが正しかったのかと不安にありましたが、あのとき手を止めなくて良かった。表彰を受けて嬉しい」。
獅々賀さんは「本人が助かったことも嬉しいですし、誰かの役に立てたことがすごく嬉しく感じます。当時は私も改札の勤務担当で、お客さまに言われてホームには私が先に上がりました。上がる直前に池田さんに伝えました。私たちにお知らせしていただいたお客さまに協力してもらい連絡していただきました」とそれぞれ話した。
井元隆文市消防署長は「傷病者の命を救い、社会復帰に導くために必要となる一連の行い『救命の連鎖』がつながり、男性は後遺症が残らないギリギリの時間で心拍が戻った。2人の勇気ある行動は素晴らしいこと」と語った。
別府市消防本部は、JR別府駅を救急救命講習を受講した職員がおり、AEDを配置している利用者にとって安全・安心な救急救命認定施設としている。