別府市の公共交通活性化協議会

地域の交通対策について協議を行った

 別府市公共交通活性化協議会(会長・阿部万寿夫副市長、24人)は、令和7年度第3回協議会を18日午前10時、市役所で開催した。
 阿部副市長が「多くの人が別府を訪れてくれています。また、クルーズ船の寄港時には多くのインバウンドが訪れ、バス、タクシー、湯けむりライドシェアグローバルも一定の成果を上げています。私も、ドライバーとしてハンドルを何回か握りましたが、移動手段の1つのツールになると実感しています。今後も、民間事業者と市が協力して観光客や市民の移動の足を確保して、交通空白地域などの解消をしてきたい」とあいさつ。
 議事では、「市コミュニティバス内成棚田線」の運行、営業区域外旅客運送、扇山地域の交通空白地対策、「湯けむりライドシェア関の江循環線」の実証運行延長について、説明を受け、承認した。
 内成棚田線は、今年4月に停留所を追加した区間に新たに「流川16丁目」と「流川8丁目」を追加する。営業区域外旅客運送については、クルーズ客船が寄港した際、本来は営業区域外となる大分市のタクシー事業者も別府市内で運行できる特例措置を取っているが、需要が供給を上回っていることから、大分県タクシー協会会員の県内業者、大分県個人タクシー協会加盟の事業所にも広げることを提案した。委員からは「運賃を考えても、市外から来て儲けがないと来ないのではないか」との指摘もあった。また、クルーズ客船からの乗客数やニーズの情報がギリギリしか分からない現状にもついて「もっと早く分からないと、対応が難しい」「乗り場を増やしてほしい」といった声もあがった。
 扇山の交通空白地対策については、以前定時定路線で走る公共ライドシェアを活用する提案をしていたが、再度検討を行い「区域内運行(デマンド)」に変更する方針を示した。具体的な内容は、「今後、地域や交通事業者らと協議が必要」とした上で、今年度中の運行開始を目指すことを説明。委員からは「タクシーやバスに乗り継ぐポイントをつくることも考えてはどうか」と提案があった。
 関の江循環線については、昨年10月から今年7月まで実証運行を行い、199日、3184便を運行した。乗車人数は5003人で、1日当たり25・14人、1便あたり1・57人で運行した。委員からは「1便当たり2人以上ないと、維持するのはキツイ。地域の人の協力が必要」との意見があった。